第6話 おあいこ

『なー、循環器って終わった?俺、さっぱりでやばくてさぁ。テストしてたら見せて欲しいんやけど』

洋介からメールがきた


『うん、したよ!うちもやばくてギリギリ追試にならんかったくらいやから教えるのは絶対無理やけど』


うちの家に来てテストやノートを見せる事になった。


部屋でノート見ながらうちの彼氏の話になる。

「彼氏と結局どうしたん?」


「あー…、週末になんとかしようとは思ってるけど、まだ放置してずっと無視してる」


「親友は別れたらって言ってたけどさぁ、俺は別れんでもいいんちゃうかと思うんや。

だって好きなんやろ?

かおりは、彼氏とは別れられんのやろ?

かおりからふるとかぜったい無理やろ?」


何でわかるんやろう?

「…うん。

別れた方がいいとは思うけど、できんと思う。

ま、連絡取ったら向こうから

ふられるかもやけどね…」


「やっぱ遠距離ってつらい?」


「うん、会いたくてもすぐ会えんから寂しくてつらい。

離れてたら浮気もされるし…

あいつが、クズやからするんやけどさぁ…」


「仕返しにかおりも浮気したらいいやん?」


「…え?」

洋介の手がうちの頬に触れてキス。

そこから続けて何度かキスされる。

久しぶりにたくや以外の男に触れた。

洋介の綺麗な顔が近くてドキドキする。


「俺、寂しいのまぎらわしてあげるよ?

案外それでバランス取れてうまくいくようになるよ?」

悪魔の囁き。かっこよくてちょっと強引でこんなんされて落ちない女の子っている?

弱ってるとこに洋介と2人はまずかった。


されるがままにエッチしてしまった。

久々にしたけど、やっぱ上手い。

下の階に家族いるから必死に声押し殺して耐えてるのに、我慢してて漏れちゃう声が可愛いすぎってガンガン攻められる。



「やっぱかおり可愛いわ。高校の時のギャルも良かったけど、今みたいにちょい綺麗系の落ちついた感じの方が俺は好きやな〜」

エッチ終わってからベッドでまったりトーク。


「え?そう…?

改められるとなんか照れるんやけど」

腕枕されて、頭なでて、時々キスしてくれる。

何これ?ご褒美か何かですか?


「昔、何回かしたやん?すっげー良かったから、またしたいって思ってて。

やったらやっぱり良かった」


「洋介、昔よりSになったよね?

エッチはあいかわらずめちゃ気持ちいいけど」


「ほんまはもっとドSな事したいけど、昔は我慢してたんやって。

引かれたら嫌やん?

かおりはMやん?

俺らきっと合うよ?」


「なんでMってわかるん?」


「なんとなく…雰囲気?

てか、今さぁ、彼氏の事忘れてるやろ?

こんな感じで、自分だけ浮気されてるっていうのじゃなかったらバランス取れん?

両方浮気してるしおあいこみたいな感じでさぁ。

俺ら、お互いカレカノおるやん?

浮気って知らん子が浮気相手やったら罪悪感あるけど、お互い知ってたら罪悪感とかもないやん。

俺、そこらへんも上手にするから優良物件やと思うんやけど?」


「ほんまやね。すっかり忘れてる。

確かにうちもやっちゃってるからおあいこになった」


浮気してしまった。

言われた通り罪悪感も少ない。

たくやの事はふっとんでる。

寂しい気持ちが和らいでる。

洋介に癒されてる。

これはハマってしまう。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る