書きたいこと小ネタ集
🗡🐺狼駄
焚き火の歌
2023年5月2日。僕はソロでデイキャンプ(宿泊しないキャンプ)に行ってきました。
こう書くと何だか優雅に聞こえそうな気がしますが、GW初日に自宅の金木犀を大量に枝落とししましたので、それらを燃やして処分しようという……。
早い話がゴミ処理です。しかも切ったばかりの生木がほとんど。
これだけじゃ簡単には燃えないので、残して置いた板っきれと百均の固形燃料を持って行きました。
ソロ用の焚き火台を愛用しています。金網を広げると45cm×45cm位になります。
使わない時には金網は薄いから丸められるし、足も閉じられるので大変便利。
しかし問題もあります。所詮ソロ向きなので大きな薪には不向きです。
ましてや不揃いの自分で切った枝を使うのですから、焚き火台から落とさない様に上手く使う必要があります。
今日は風が少々強くて最初の点火時に、チャッカマンの火がスグに消えて思ったより苦労しました。
すると近くのキャンパー様が、「火種如何ですか?」と御丁寧にも分けて下さいました。
あ、火種と言うのは早い話、既にしっかり燃えている薪や炭の事です。
お陰様で難なくクリア。あとは風が勝手に通ってくれるので火力が上がってありがたいのですが、今度は枝が飛んでいかない様に要注意です。
後はほとんど放っておいても枝は、何とか次々に燃えていきます。とはいえ乾燥した薪と違い、彼等は名前通り”生きています”。
実際この枝は金木犀。この枝を地面に突き刺せば、やがて根をはり新たな樹へと生まれ変わるのです。
よって樹木の中に流れる血液といえる水分が蒸発し、次に樹皮が燃えて乾燥しながら枝の芯へと火が移ります。特に直径5cm以上の枝となると少々難儀です。
しかしそういう太い枝ほど一度火が入れば大変貴重な存在になります。
乾燥しきった薪は良く燃えますが、あまり火持ちがせずに一気に大火力で燃え上がり、そのまま消えてしまいますが、太い枝はジワジワと少しづつ燃えてくれます。
これが調理の際に大変ありがたいのです。いわゆる
今どきのキャンプならガスストーブや、何ならさっきも出てきた固形燃料だけでも手軽に調理用の火が手に入るのですが、ここはキャンパーの腕の見せどころ。
今日はあくまでゴミ処理なので、安い欧州産のステーキ肉に細かく筋切りしたものにハーブソルトをかけただけのものと、これは我ながら贅沢なのですが、たまたま殻付きのホタテが売っていたので、—これは買わねばとチョイスした次第。
これらを焼いてくれるのはスキレットというかなり厚めの鉄製フライパン。重みがあり熱を溜めてくれるので、余熱で調理が出来るのです。
今日はこの重みの方を使います。細い網の焚き火台は、網が沈むから調理がしづらい。
これを逆手に取って平たくした枝の上にドンッと置いてしまいました。実にワイルドで我ながら少々悦に浸りました。
さて……あとはひたすらに車の後部座席すらたたんで持ってきた大量の枝をひたすらに燃やすだけです。
ここで僕の頭の中に、浮かんだのは……。
―これが家の庭で出来たらどんなに楽か……。
考えてみればこの薪を生成する為にGW初日の半日をまるっと使っています。それだけでも大変なのに、今日も半日使って今度は燃やす作業。
好きじゃなきゃ〇カボンのパパに任せた方が賢明です。
でも思う訳ですよ。自分は今年49歳ですが、最初の生家の風呂は薪で炊くものでした。そして庭では枝やら落ち葉やらを集めては、落ち葉を燃やす。
いわゆる落ち葉炊きをやっていた訳です。現代じゃちょっと考えられない、これを読んで下さっている若い方には、多分経験がないのでは……。
そこで思い浮かぶのが、落ち葉炊きの歌(焚火の歌でいいらしい)
かきねのかきねの曲がり角、たきびだ、たきびだ、落ち葉焚き~♪
この歌すら下手すると知らないかも知れないぞ。そう思ったのです。
だいぶ年寄り臭い話になってしまいますが、私が小学校上がる前はまだこの文化がありました。
寒くなりつつある晩秋の頃。嫌がる子供達を手伝わせて庭の落ち葉をひたすらに集め、火を点けて囲む。
なかなか芯まで火が通らないサツマイモなんかあったら贅沢の極みですが、震えながら火を囲って「あったかいねえ~」という、語らいはキャンプ場に来ないとありえないのかあ……と、思ったら何だか少し寂しい気が致しました。
先程の薪で炊く風呂もそうですが、一昔前には火を扱うスキルは家庭の中にすらあった次第で。恐らく知識では存じておられる事と思いますが、あと10年も後の世の子供達辺りは、いよいよ知らないのではないでしょうか。
何しろキャンプ歴の長い自分ですら、火の扱いが完璧かと問われたら正直自信がないほどです。
昨年の冬は光熱費が高騰して火鉢を見直した、なんて話も聞きましたが、世知辛い世の中でござんすねえ………。
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