第13話 この三人を殺すとポイント三倍!!!

「うえっぷぅ……」

「ほぇー……」

「お腹いっぱいだぁ……」

と俺らは揃いも揃って仲良く倒れた。もう満腹だ。これだけのでっかい魚だけで食べるだけでも、俺らの腹ではいっぱいいっぱいのようだ。ついでに胃が痛くならない。前世では肉や魚の中にある脂のせいで時折、胃が痛くなっていた。だが、今世では十三歳という胃が痛くならない体だ。こんなにも魚が美味いと味わえるのだ。もう、この体、最高だ。すると

__ピコン、ピコン……ピコン、ピコン……

「……ん?」

と向こうの方から小さなスマホの着信音に俺の体は反応してしまった。俺は四つん這いになってからの立ち上がり、スマホのある方へいった。近くにいくと、水に浸かっていたはずのスマホは元気よくブルブルと鳴り出し、画面を光らせてた。……というかこのスマホ、防水機能とかついてるんだ、と思っていると、画面の中に時間の他に白色の予告みたいのが何かが書いてあった。よく見ると『シェリア様、おめでとうございます。貴方のランキングが……』と書いてあった。なんだこれ……これも運営の仕業か?と眉を寄せた俺は白色の予告に二回押してみた。押してみると、そこにはドッキリに使うような文字で大きく、『シェリア様、おめでとうございます。貴方のランキングが三位にランクインしました!』と書かれてあった。

「……なんだよ、これ……」

と呆気取られたままの俺の声が溢れた。……三位?なにそれ。てか、これ何のランキングだよ。と心の底から嘲笑ったが、すぐに心当たりがあった。まさか……と思い俺は《サイトに開く》のボタンを押した。そこには聞いた覚えのある名前と自分の書かれてあった。『名前』と書かれている隣には『ポイント数』と書いてあった。ランキングは百位から順に書かれていた。


百位 ………六百ポイント

__ピコン,

百位………八百ポイント

__変わった!

俺は目を開いた。これは自動で変わるのか……俺は指で下を動かして一位を探した。俺はもう知っていた。いや、今更このポイントに気がついたと言ってもいいだろう。このポイントは人を殺した数をポイントにしたのだ……。そして、アンバラのあの言葉を思い出す。

『初めて、というか一人殺した場合、お前らは百ポイントとれるんだ。』

『殺した相手が一人か二人殺した場合はその相手の二倍がとれる。』

『誰かと組んで殺した場合は割愛して五十ポイントとれる。』

誰かを殺せばポイントになれる。……それが本当ならたくさんの人を殺めた俺とクオーレは相当なポイントになっている。

__俺とクオーレは何位だ?

と俺は心の中に焦りを感じたのか、指を下へ下へとずらした。下へ下へと行く度に総入れ替えするほどの順位。まるで下に行くのを拒んでいるみたいだ。しかし、俺は諦めはしなかった。見てみたいんだ。俺より殺している奴を……。と思っていると、とうとう、十位という順位が見えてきた。

「ウンラン・シア……?誰だこいつ?……いいから、次だ次」

と見ていると九位、いや、八位にクオーレの名前が書いていた。ポイント数は千六百ポイントと以外にも高い。

「ああのクソガキ、そんなに殺したのか」

いや、あんなガキのような顔をしているクオーレならばやりかねないか。そして、七位、六位、五位、四位のところで

「え、俺の名前?いつの間……に?」

と突然のことに俺の名前いつの間にか三位から四位に下がってた俺の名前が書かれてあった。


四位 シェリア・オリエント…5600ポイント


俺、そんなに殺したのか?とドン引きした。その五十六人を殺して証なのか…それとも誰かを殺して二倍のポイントを手に入れたのか。ああ、もう、分かんねぇよ。俺は、三位、二位。そして、一位の奴らを見てきた。


三位 ビーダ・シエンプレ…7200ポイント

二位 カルマ・テキエロ…9900ポイント


へぇ、結構殺っているんだー。以外にも驚きだわ。これだけたくさんの人を殺したのか……。と、俺は二位も一位も意外にも男子が多い。いや、そりゃそうだわ。なにせあのマリシャスの野郎から先に行って後から勇気のある男子が行ったもの。俺より先に


一位 マリシャス・ロストライト…60000ポイント


__………………は?

俺は思わないポイント数に声が出て、口を開いてしまっていた。いやいや、そんなのはないだろう。とは思っていた。けどもう一度見ても嘘偽りのないポイント数であった。何度も何度も見ても

「…………すぅー……嘘だろ!おいぃぃぃぃ!」

「!?どうした!」

「何かありましたか!?」

と思わず大声を出してしまった。すると、俺の大声に駆けつけて来たのかクオーレとアーシアが心配の声をかけられた。これは二人には見せてはいけないと感じた。それは二人には見せられない。殺した数をランキングにして見せているのだから。俺はまだ焦っていたせいか慌てた声で思わず

「だ、大丈夫ですよ。ただの夢事です〜。本当に大丈夫」

と謎のオカマ声で言ってしまった。すると二人の反応はというと

「ぶっはは。何そのオカマ声。めっちゃ笑える〜。うひっうひひっ」

「ちょ、言わないで……ください。クオーレさん。それは余計な……」

「ひひひっ……と、とりあえず……大丈夫でよかった。もう、心配させないでよ〜」

「ぼ……僕達はさ………先に寝ています。シェリアさんもちゃんとしてくださいね……」

「ぶはははは……ひーひー……ふーふー……ふぅ……それじゃ、シェリアおやすみ〜ひひっ」

と二人は俺のオカマ声でどうやら吹き出していたようだ。クオーレは思いっきり笑っていた。ずっと、腹を堪えているだろうか。それに対するアーシアは、思いっきり笑いを堪えているようだ。つまり結果的に二人とも笑っていると。……よし、後で殺そう。悪意のある満面の笑みで。と、とにかくこれはある意味でやばい。それはマリシャスの存在だけではない。あいつは殺し合い前にもその殺意のある反応をしていた。それに風貌からもその殺意のある反応はあった。たったの数時間で六百人の殺した。ついでに、カルマとビーダと言う奴もやばい。このポイントの上昇の位置からして二人で協力して殺しているんだ。だとすると、他の人からの狙われる可能性も高い。

…………ん?狙われる可能性が高い?はっとある事に気づいた俺はもう一度指で上へ上へずらした。なんだろう……。嫌な予感がする。ビーダとカルマを見て、妙に段々と上昇をしている。それはマリシャスも同じだ。ずんずんと上がっていたのだ。まるで倍に上がっているかのように。上へとずらす度に他の人達のポイントがどんどんと上がってきている。これ……運営の仕業だとすれば……なんと卑怯な方法だ!

「……あった!」

と俺の嫌な予感が当たるかのように、二つのマークがあった。一つは横に三本線が引いているマーク、もう一つははてなのようでそうではない何だかんだ言って分からない謎のマークだ。

「なんだこれ……?」

俺は一度無視はしたが、なんとなくは覚えてた。

__まずは、横に三本線が引いているマーク……

と思い、押してみるとアニメの公式サイトでも開いているようだ。英語で『オプション』『ニュース』『チャプター』などが書かれていた。さすがにこれは違うか……。俺は何故か安堵した。謎のマークは実は偽物で本物はこれって思ったからだ。これはさすがに深く考えすぎたな……。俺は肩の荷がなくなったのか、ため息をついた。

__ということは、これが……

と俺は横に三本線のマークをもう一度押して元に戻し、隣にある謎のマークを押すことにした。頭の中からこんな事を聞かされた。『やめろ。これ以上は良くない。後悔することになる』と。確かにこれを見てしまったら俺は後悔することになるな。でも、見てみたいという好奇心は

「止まられないんだよ」

とやけに興奮するような声で言った。なんでだろうこんなに興奮するのは。こんなに好奇心旺盛な俺に変えたのは誰のおかげだろうか。俺は頭からの警戒を無視して、ポチッと、謎のマークを押した。すると、黒色だった画面は白色の画面に変わり、まるで1990年代に出てきそうな文字があった。

「うわぁ、なんだかなっつー」

と思い俺は指を下にずらすと、真っ赤な文字が浮かび上がった。文字はこう書かれていた。

《この三人を殺すとポイントが三倍!!!》

とまるで地方のスーパーの広告だなと思ってしまい鼻で笑っているとさらに、下にずらしたら、途端に動かしてた指が止まった。そして、「なんでだよ……」と驚いて開いた口が声が溢れた。

1:ナクラ・タラン 現在 七十五位

2:エリア・ルーデェン 現在 三十九位

3:シェリア・オリエント 現在 四位

思わず、膝が崩れてしまった。さらに、追い討ちをかけるかのようにさらに下にある。もう怒る言葉が思い浮かばないし気力もない。ただ言えるのなら……「なんでだよ」しか言えない。俺を殺すと今まで殺してきたポイントは三倍になって相手のポイントとなる。それに俺の近くにはクオーレとアーシアがいる。もし、クオーレもアーシアも巻き添えで殺したとすると……。

「……俺一人で行くか?」

そうすれば被害は少なくなる。が、それを二人は許されるのか?ああ、頭がおかしくなるよ……。と、思うと

「ん?」

下に何かがある。指で動かすと黒でこう書かれてあった。

《ヴィング学園の目標とスローガン》

「……何これ?」

と呆れる事が開いてみると、

「………!!!……嘘だろ?」

想像以上だった。なんでこんなのがあるんだよ。俺らは戦っているのか?呆れ以上に腹が立っていた。もう、腹が立っていて仕方がない。こんな学園があってたまるかと思いたくなってきた……俺はスマホを持ってない手で固く握りしめた。


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