少女小説で踊りたい

平河ゆうき

はじめに――少女小説を読まずして書いていたっぽい件

どうも、こんにちはこんばんは。平河ゆうきと申します。


2022年、カクヨムに投稿した『凸凹バドバード』が第10回角川つばさ文庫小説賞において金賞を受賞し、作家デビューいたしました。ありがとうございます。

受賞作は『泣き虫スマッシュ!』と改題のうえ、角川つばさ文庫より2023年5月現在、2巻まで発売されています。またお読みいただければ幸いです。


受賞後、1巻の出版に向けた作業をしていく中で痛感したことがありました。


圧倒的にインプットが足りない!!!!!!


本当に、お話作りの基礎体力が不足しているんですね。

いろんな方が創作論で語っているとおり、継続的にアウトプットをしていくためにはインプットも続けなければいけない…と考えるようになりました。

児童文庫の賞でデビューを決めたものの、読者としての私は少女漫画生まれミステリー育ち。これまでろくに読んでこなかった児童文学・児童文庫を読んでいくのは必須でしょう。


でも、それだけでいいのか?


何か足りないような気がするんだよな~、他にどんなものをインプットすればいいのかな~、と思いながら書店に立ち寄ったとき目に入ったのが、斎藤美奈子『挑発する少女小説』(河出新書)でした。

『赤毛のアン』『小公女』『若草物語』といった海外の少女小説を大人になって読み直そう、という本なのですが、その冒頭にある「少女小説を特徴づける4つのお約束ごと」を読んで衝撃を受けました。


①主人公はみな「おてんば」な少女である。

②主人公の多くは「みなしご」である。

③友情(同性愛)が恋愛(異性愛)を凌駕する世界である。

④少女期からの「卒業」が仕込まれている。


『泣き虫スマッシュ!』がほとんど当てはまる! 

私が書いている、書こうとしているものは少女小説だったのか! 

だけど、少女漫画は読んでも少女小説はまったく通ってこなかったよ、本当に何ひとつ。『赤毛のアン』すらも……。

わからん、少女小説なんて言われても、さっぱりわからん……。


だったら読んでやるぜ! 少女小説ってやつをよぉ!!


と、少女小説を読んでみることを少年漫画のノリで決意したのでした。


読むと決めたなら、海外作品だけでなくコバルト文庫など日本の作品も読んでみたい。しかし、これまで読んだことないジャンルだし、どれを読んでいいやらわからない……。

そこで役に立ったのが、以下の2冊です。


嵯峨景子・三村美衣・七木香枝『大人だって読みたい! 少女小説ガイド』(時事通信社)

嵯峨景子『少女小説を知るための100冊』(星海社新書)


どちらも、少女小説に特化したブックガイドです。面白そうな作品を選ぶ道標となりました。ありがたかったですね。


そして、読んだ少女小説の感想をここに記録していくことにします。

ちなみに、この文章を書いている時点では、読む作品は決めたものの1冊も読んでいません。

こうやってカクヨム上で自らに読書を課する必要があると思ったんですよね……。

(そうでもしないと、いつまで経っても読まなそう)

読んでいく作品のリストは、次のエピソードで。

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