〜翡翠〜




こうあるべきだ


それはありえない


普通は


基本は


常識は




そう言われ続けた。



言われたことをやり続けた。




始めは褒められたかったからとか

認めてくれることが嬉しかったとか

そんな感じだったと思う。





多くの人が褒めてくる色。


多くの人が認識してる色。


それになろうと努力した。





そして



求める色に染まる。





始めはみんな嬉しそうにする。


それを感じると私も嬉しい。









なのに









気付いたら選ばれてない。




紙コップみたいに何度か注いだら


満足してポイ捨てされている。







透き通っていて透明感のある。

使いまわしても汚れない新品がいいんだって。






いいモノが見つかると




みんな、そっちに行ってしまう。








頑張ったのにね。


頑張ってるのにね。



誰も見てくれないね。







私はきっと





繋がる相手に合わせて


欲しがる色に合わせて


変えて、変えて、変えて





変えすぎたみたいだ。






だから私の中は



不純物だらけ。




グニャグニャのボロボロのコップ。







なんとかしようと

形を、見た目を変えようと



削って、足して、漂白して



染色までしたのに






気持ち悪い。






それで終わり。







純粋なもの?

もう私はそうじゃないの?






繰り返す度に評価は

下がり続けてるそんな感じがする。








そして







低いモノで満足するのは


同じく低いモノだけ。







あはは







一生このまま、おちていく。






だって私は相手の求める色に染まるから。









でも








やめられない。








もらえないとだめになるから


カラカラに乾いちゃうから


相手が必要なんだ。







だから



お願い離れないで。



どこにもいかないで。



置いていかないで。




ずっとそばにいて。





必要としてよ。






じゃないと






私は





もう











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る