フィール・ラブ

三坂弥生

第三十八回 研究責任者会議 最終決定事項及び報告

秘匿文書 ドラニム研究所レベルⅤ管理指定書類 開発機体『エモーション』

第三十八回 研究責任者会議 最終決定事項及び報告


始個体番号 MTX―01―5000 より、以下セロ数式により指定数まで継続

終個体番号 MTX―05―8026


【概略】

80640725 『アンドロイドの自我形成と意志発現』(ホーキン教授, 8064)発表

80651208 上論文の信憑性が非常に高く、実現可能な可能性が高いとの査読

80650228 座標2068にて、本件発案者エマ・ローエンスによりプロジェクト発足

80650302 エマ・ローレンスの進言により、国王ルードラスから勅命

80650310 ドラニム研究所にて、本件研究が開始

80651130 プロトタイプ 完成

80660208 01番台の全ての機体がロスト←脳構造の脆弱性による

80660226 02番台の全ての機体がロスト←脳構造の改善が実現せず

80660228 マルロス博士 本件の中止を提言

80660230 マルロス博士 病死。本件続行が決定

80660312 03番台の全ての機体がロスト←フェラル液の暴発,燃焼による

80660401 04番台の全ての機体がロスト←調査中

80660620 05番台の内数体が、経過良好(別紙参照)

80660712 MTX―05―7089を除く機体のロストを確認


【報告】

 機体、『エモーション』の完成個体MTX―05―7089(以下イヴ)を量産することが決定した。生産工場を国家指定工場(別紙参照)に決定し、図面並びに開発品(イヴ)をハッドネス工場へとワープさせる。(決定事項1)

 同工場で図面の詳細化や部品の簡略化を行ったのち、下請け工場へは図面のみを輸送するものとする。(決定事項1’)

 なお、開発に関わった職員の八割は、機密保持の為抹殺する。(決定事項2)

 本プロジェクトの目的は次の通り。


1. 自我を持つアンドロイドの開発

2. 本国へと危害を加えないよう五重保護を行ったプログラムを含む当該個体を各国へ輸送(亡命)させる

3. 五十年後に暴走させ、政治的・軍事的・民事的な混乱を誘発


 プログラムは現在開発途中であり、機体量産後に実装予定である。


   文責  80660715 ポーロ・ルーカス

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