第7話 メリーさん探検隊 OP

 メリーさん。

 その噂を聞いたものは数知れず。しかし実態を知る者は少ないだろう。

 果たしてメリーさんとは何者なのか。その謎を解明するために、我々はジャングルの奥地へと向かった!


「おい」

 なんだ。今いい所なんだが。

「いや、さ」


 はあ、とため息をついて、


「探検隊員に肝心のメリーさんがいるし、そもそもこのメンバーで人間はアンタ一人だけなんだけど?」


 と、口裂け女の咲子さんは言った。

「大体本人を目の前にして、その噂とやらの情報源ソースはどこのモノなんだい、情報源ソースは」

 都市伝説が情報源ソースを求めるな!

「科学者なら参考資料とデータの出典はしっかり確認しな???」


 ここで2ndシーズンから加入するレギュラーキャラを紹介しよう。

 私は隊長・柳田。物理学の研究員である。趣味は宇宙人との交信とツチノコ探し。お化けへのあくなき探究心を持っている。オカルトを科学で解明し、暴きたい……ということは全くなく、単にオカルトが大好きというか心から信じているのだ。ト〇ロいるもん本当だもん。まあ目の前に怪異がいるので、信じる以前の問題である。

 隊員その一。口裂け女の咲子さん。「私キレイ?」と言ってマスクを外すことで有名な咲子さんだが、近年花粉症とコロナ禍によってみんながマスクを付け始めたので怪異活動を自重していたところ、ネットで検索して見つけたルッキズムという概念とぶち当たってしまい、「私は一体何者なのか」とガチもののモラトリアムに入ったことで大学に入ることにした。今は『推〇の子』にハマっている。

 なお、咲子さんと隊長言い出しっぺである柳田わたしは、恋人同士である。


『まあまあ、咲子ちゃん。今回、私も楽しみにしていましたから、そのへんで』

 隊員その二。トイレの花子さん。……は、その性質上学校のトイレから離れられないので、今回リモート参加となっている。今はメリーさんのスマホの画面に映っている。

 外のことをあまり知らない花子さんは、箱入り娘ならぬ個室トイレ娘なのだ。だから外のことが知れて嬉しいのだろう、と咲子さんは思った。

 ……しかしこの企画で一体どんな実りがあるのか。咲子さんは始まる前から疲れていた。


「肝心のメリーさんはいいわけ? こんな茶番に付き合って」

「今日はオフだから、時間もあるわよ」

「貴重なオフをこんな茶番で消費するな」

 この子に断るというコマンドを教え込まなきゃ。『同意』という概念を勉強した咲子さんは、そう決心した。


 人間一人怪異三人(うち一人リモート参加)。

 メリーさん探検隊の出発である!


✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳


 数々に判明するメリーさんの謎!

「メリー……あいつはとんでもなく恐ろしい怪異だよ」

 生き残った証人たちが語る、メリーさんの素顔とは!

「メリーの弱点は〇〇〇〇さ」(SE  どよめく人々)

 そして明らかになる、知られざるメリーさんの過去……。


 気になる内容は、CMの後!

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