第6話 コロッケの日/『時間は有限で無限大』

商店街のお肉屋さんでコロッケを買って、食べながら帰った。

「最高!」

「80円で安上がりだな」

「同棲している価値はこの何十倍も、何百倍もあるから」

「無限大だろ」

口の端についた衣をとって、笑い合った。

この時間が有限であることも、だからこそ尊いことも、お互いなんとなくわかっていた。



◆5月6日は「コロッケの日」/2023年5月6日作

#140字小説 『時間は有限で無限大』

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