第136話 ベルリンでも大歓迎
ドイツの首都ベルリンに到着した俺達。
早速挨拶とばかりに訪れたテレビ局で予想外の熱烈歓迎を受けることになった。
テレビ局の中に入って、上等な応接室に案内される。
この部屋にいるのは、俺達3人と今回俺達を招待してくれたスポーツ担当ディレクターのクラウスさん。
ワールドカップやオリンピック番組も仕切っている役員級の大物だそうだ。
「『ようこそはるばるベルリンまで。パリとロンドンでのご活躍は聞いておりますよ。
先を越されて悔しい限りです』と仰ってます」
「お招き頂き、ありがとうございます。
ところで、下の騒ぎは何だったんでしょうか?」
「あれは……」
クラウスさんの話しでは、イギリスで俺達が制覇したイギリス版サ◯ケは、こちらドイツでも全国放送で流されており、超人気番組だそうな。
元々ドイツでも名が売れていた朝里と、東京ウインターコレクションでの評判が高かった俺のふたりで参加して、歴代最短記録で制覇したものだから、あの盛り上がりに繋がったらしいんだ。
「なるほどね。クラウスさんが悔しがるのも無理はないですね」
「『そうなんですよ。それに、フランスではあの大物俳優のステファン・ウーダンと対決したり、『ファニー・エーメの部屋』に出演したんでしょ。それにイギリスであの活躍じゃあ、我社の打つ手が無いじゃないですか。それにイギリスではドラマにも出たんですよね。ボブが自慢気に電話してきましたよ』ですって」
なるほどねーー。
「でも、ここベルリンでは、有名な剣術道場との対決があるって聞いてますが」
「『そうなんです。明日なんですが、体調はいかがでしょうか?
向こうは8人出てくる予定ですが…』って…えっ8人ですか?」
由美子さんが驚いている。
えっ、そんな大変なことなの?
「丈一郎さん、よく聞いてくださいね。
明日対決する剣術道場は、ヨーロッパ最強の名を欲しいままにしているんです。
その中から選りすぐりが8人なんて、無茶苦茶です」
「大丈夫だと思うけど…。
そうだ!朝里一緒にどう?」
「面白そうね。わたし用の着物と袴はあるかしら。」
「『ええっーー、朝里さんも!!』」
そうか、朝里が剣を振るっている姿を見せて無かったよね。
朝里だってドラゴンくらいは倒せる実力はあるから、大丈夫だと思うんだけど。
「『本当に大丈夫でしょうか。もしおふたりがあの8人相手に勝てるようなことがあれば、アンリやボブにひと泡吹かせられますけど…』まぁ、そうですわね」
その後は、朝里の衣装を選んだり、対決予定のスタジオを確認したりして。
結局、朝里はくノ一の衣装を選んだよ。
まぁ、クラウスさんが趣味に走ったというのもあるけどね。
似合ってるから、それはそれでありかな。
「『さぁ、レストランへ移動しましょう。
今日はドイツ家庭料理を堪能頂きたく思います』」
パリでもロンドンでもフルコースばっかりだったから、正直嬉しい。
高級レストランの様相はしているものの、じゃが芋やソーセージ、ザワークラウトなんかがテーブルに並ぶ。
もちろん、陶器のバイキングカップに入ったビールもね。
他にもカツレツのような『シュニッツェル』とか豚肉をローストした『シュヴァイネブラーテン』なんていう料理まで、これでもかってくらいに並べられているんだ。
よし、腹いっぱい食うぞ!
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