第34話 環境型ダンジョンは厄介です
やっばり繋がってたよ。
俺が貰った元男爵様のお屋敷の1室。その隠し扉の先にあった地下室。
そしてそこから先にはダンジョンが広がっていた。
深い縦穴の中程には不自然ないくつかの横穴が空いている。
そしてその上から5番目の横穴を調査していると、更に魔法遮断が掛かった隠し通路があり、それは、この街最難度のダンジョン、ダイヤモンドのダンジョン地下30階層と繋がっていたのだ。
「地下のダンジョンとダイヤモンドのダンジョンは繋がっていた。
そうなると他の横穴もそれぞれのダンジョンに繋がっている可能性が非常に高い。
この屋敷の地下から繋がるダンジョンは各フロア碁盤目状で、同じような構造になっている。
そして、魔法遮断と思われる何らかの力が街にあるダンジョンとの繋がりを隠していた。
疑問その1、どうしてこの屋敷の地下にダンジョンがあるのか?
疑問その2、どうして碁盤目状になっているのか?
疑問その3、何故他のダンジョンと繋がっているのか?
疑問その4、なんのために魔法遮断まで使って他のダンジョンとの繋がりを隠すのか?
疑問その5、更に下にある横穴はどこに通じているのか?
ってとこかな。
まぁ、そもそもダンジョンの役割が分からないから、それが最大の疑問なんだけどね」
疑問は残るけど、今すぐ解決しなきゃいけないこともない。
今日はこれで終わりとしよっと。
翌日、ダイヤモンドのダンジョンに潜る。
地下30階層までは転移で移動。
そこから再開だ。
地下31階層から、ダンジョンの形が大きく変わる。
これまではどちらかというと、迷路型であった。
それがこの階層からは環境型に
変わる。
今までこの街にある4つのダンジョンをクリアしてきたけど、環境型は初めてだ。
地下31階層は草原になっていた。
くるぶしが埋まるくらいの雑草が生い茂り、ところどころ沼地もある。
機動力を得意とする盗賊なんかは完全に動きを制限されるだろう。
それに、雑草の中にヘビ型が、沼地にはヒル型の魔物が潜んでいる可能性もある。
慎重に進まねば。
サーチを展開して、雑草の中を探索すると、居るわ居るわ、雲霞のごとく魔物が潜んでいるよ。
炎で一気に焼いてしまう方法もあるが、水分を豊富に含んだ雑草を燃やせば、とんでもないくらい煙が発生し、俺も動けなくなる可能性が極めて高かった。
「じゃあ、ここはカミナリで」
カミナリ魔法で雷撃を広範囲に落とす。
もちろん俺は高く飛び上がってるよ。
落雷が地面を走る。
沼地の水を伝って、見渡せる範囲は全て電気が回ったんじゃないかな。
落雷による火災も消えたところで、サーチを掛けてみる。
うん、大丈夫みたいだな。
結構強い魔物も居たんだろうか。
俺のレベルもそこそこ上がったな。
広い草原エリアに何回かカミナリを落として、次のフロアへの階段に辿り着く。
地下32階層。ここは火山エリアであった。
とにかく熱い。
細い岩場を歩くのだが、両脇にマグマの川が流れている。
少し向こうにはマグマの滝があり、水しぶきならぬマグマしぶきを撒き散らしていた。
「うーーん、ここはちょっと………」
出来れば遠慮したいところだが、そういうわけにもいかない。
何か対策を考えねば。
このフロアの厄介なところはサーチが使えないところにある。
どうやら、マグマの熱やその中に含まれる電磁気がサーチを阻害しているようだ。
まぁ、レーダーみたいなものか。
マグマの川だけなら、空中を行けば良いのだが、滝から流れ落ちて、不規則に飛び散っている溶岩やマグマを躱しながら飛ぶには、サーチが必要になるが、それが使えないとなると、さてどうしたものやら。
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