第190話 チキンチキンチキン
「それは俺たちは成人しているとは言え未だ学生だからね。アルコールなんて以ての外だろ。常識的に考えて」
「チキンッ!チキンチキンチキンチキンチキンでしてよっ!!」
そう、ノア様などまさにチキンという言葉がまさにお似合いでしてよっ!!七面鳥を買えない貧乏人っ!!
「チキンってどう言う悪口だよ。聞いたことないぞそんな悪口。って、それよりも先程の魔術がどういうものか俺にも教えてくれ!!」
しかし、そんなわたくしの悪口もノア様には、当たり前なのだが伝わっておらず、依然先程の氷を創り出した魔術について教えを請おうとして来る。
というか近いっ!わたくしの両肩を掴み氷魔術について聞いて来るノア様の顔が近過ぎてもう、はぁあ〜、イケメン過ぎてヤバいっ!!
やはり、腐っても攻略キャラクターの中でもゲームの表紙中央に一番大きく描かれるだけあってとんでも無くイケメン過ぎて目眩がして来そうな感覚になってしまう。
「分かりましたっ!分かりましたから一旦離れて下さいましっ!!」
「あ……す、すまんっ。ちょうど今氷魔術について研究している所で思わず興奮してしまったみたいである。申し訳ない」
「全く、これからは気をつけて下さいまし」
そうは言うものの、殿方は興味があるものには時に貪欲になる時がある事を知っているので、今回だけは口頭注意だけで許してやりますわ。
次されたら問答その頬をセンスで一発叩いて上げます。
「では、水はどうやって氷に変化致しますか?コレが分かれば後は簡単でしてよ」
「うーん、寒くする?くらいしか思いつかねぇな」
「それは当初俺もそう思っていたし、確かに水を氷に変える事が出来るのだが、それは何時間もの時間をかけなければいけないほど時間と労力をかけてしまう。そして過去幾人もの偉大なる魔術師が氷魔術を扱おうとして、その全てが失敗に終わっている所を見るとそれは正解ではないのだろうな」
何故か途中でレオが乱入、周りにはミシェル様、リリアナ様、そしてシャルロッテが会話を聞き逃すまいといつに間にか集まって来ている。
「あたりですわノア様。冷やせば氷るのは間違いでは無いのですが厳密には間違いでございます。ある一定の温度を下回ると水の分子の動きが鈍るのですが、その分子が寒さで動かなくなり、水分子同士が結合した状態が氷ですわ」
「ダメだ、全く分からない」
それはそうであろう。
分からないとタカをくくって教えているのだから。
「分からなくて当たり前ですわ。そしてコレに関してはここまでしかお教えする事は出来ません」
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