第31話 修学旅行 前編

 クォーツアイランドの港に大きな船が停まっている。

 船の甲板からはクォーツアイランドの7年生が、見送る家族に手を振っている。

「いってきま~す!」

 修学旅行である。

 行き先は大和の国。

高速フェリーで丸一日かけて行く。

島が見えなくなるまで手を振ったルビーは、チェシャと小次郎と共に修学旅行のしおりを確認する。

同じ班のグレッグと正義もやって来て、5人で日程を確認する。

「一日目はずっと船で、二日目にトーキョー湾に着いて秋葉原に向かうんだよね」

「そうです! アキバ限定フィギュアを買うのです!」

 正義はオタクである。

「三日目はキョートだね。色んな神社と仏閣を見よう」

「四日目はキョートから移動でトーキョー湾まで、また一日かけてクォーツアイランドに帰るぞ」

「はい、確認終わり~。着くまで何する?」

「トランプ持ってきましたよ」

「正義、ナイス~」


 二時間程トランプで遊んだ5人は飽きたのか、それぞれ別のことをし始める。

 正義とグレッグは持ってきた本を読みだし、小次郎は甲板で木刀を使った修行をしている。

 チェシャは甲板で猫の姿に戻って毛づくろいをしたり日向ぼっこをし、ルビーは他の班のところに遊びに行っている。


 夜になった。

 食堂で夕ご飯を食べ、寝室へ向かう。

 寝室は男女別れていた。

「小次郎、おやすみ~」

「おやすみ、ルビー」

 ルビーが寝室に入り、自分の寝床を確保すると恋バナが始まった。

「ねえねえ、ルビーちゃんは小次郎君とどうなの?」

「どうって、ただの幼馴染だよ」

「本当は好きな癖に~」

「もうっ、寝る!」

 布団を被ったルビーをクラスメイトが突っつきながら恋バナを聞き出そうとする。

 しかし、どこでも寝られるルビーは、すぐに寝てしまう。

「な~んだ、つまんない」


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