第17話 劇本番!
何やかんやで当日。
開会式、メープルが体育館ステージでマイクを持って宣言する。
「それでは大文化祭、はっじまるよ~~~」
文化祭は一般客も島の外からも普通に人が来るしPTAの出店もある。
ルビー達、生徒会の面々は文化祭実行委員となり、島外の人らの案内も行う。
「ルビー、劇は14時開演だから、13時には戻って来てね」
「うん」
「はい、クォーツ学園はこちらです~」
「よってらっしゃい、みてらっしゃい。不思議レストラン出張屋台だよ~」
「ここのフシギさんの料理は絶品ですから、ぜひ食べていってくださ~い」
小次郎は劇が始まるまで、屋上で台詞の確認をしていた。
緊張していないというと嘘になる。
それでも、やれることはやっておこう。
ルビーは団体客の案内を終えて、教室に戻ってきた。
「戻ったよ!」
「早速、衣装に着替えて!」
メイビルにせかされ、衣装に袖を通す。
本番になった。
劇の幕が上がる。
クライマックス明智が犯人を言い当てるシーン。
『で、君には犯人の見当がついているのですか』
『ついてますよ。……犯人は蕎麦屋の主人です。彼はマルキ・ド・サドの流れをくんだ、ひどい残虐色情者で、なんという運命のいたずらでしょう。一軒おいて隣に女のマゾヒストを発見したのです。そして、彼らは姦通していたのです。その結果、運命のいたずらが起き、彼らとしても決して願わなかった事件を引き起こしてしまったわけなのです』
拍手の中、幕は下ろされた。
「はあ~~、終わったねえ」
「小次郎、ルビー、お疲れ!」
メロが打ち上げのジュースを二人に渡す。
「「ありがとう」」
「これで肩の荷が下りたわ。明日は普通に文化祭楽しみましょう」
「うん!」
クォーツ学園大文化祭は二日間に渡って行われる。
「明日は色々見て回るぞ~」
「私も一緒に行くにゃ」
チェシャがルビーの横に来て言う。
「PTAさんの美味しい出店でしょ、フシギさんとこの出張出店もいいし、あ、メープルさんのメイド喫茶もあるんだった!」
「全部食いもんばっかだな」
「えへへ~、明日は沢山たべるぞ~」
次の日。
ルビーは生徒会の仕事が終わると、すぐにチェシャと小次郎と合流し、出店を色々回った。
「ルビー、食い過ぎじゃね? 俺もう入らん」
「もう情けないなあ、小次郎は」
「私も、まだまだいけるにゃ」
「さっすが、チェシャ」
日が暮れてくると、後夜祭が始まる。
キャンプファイヤーの周りで皆が自由に踊っている。
「踊ろう、小次郎!」
「ああ」
夜は更けていく。
【参考文献】
江戸川乱歩『D坂の殺人事件』角川文庫
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