転生三国志 鄧艾がもし関平に転生したら

夜叉丸

第1話 転生

 

 儂の前世の名はしょく侵攻軍将軍、鄧艾とうがい


 前世での最期の記憶では、蜀を乗っ取り、魏に謀反をすると冤罪を掛けられ、護送中に口封じに殺された。


 これから天界か? もしくは地獄へ行くのか? と死の瞬間思ったのだが、目を覚ますと何故か? 歳は二十代半ば、眼の前に腰まで黒い髭を伸ばし、赤面の虎より大きな男が儂を持ち上げ、こう呟いた。


「そなたは良く生まれた。名を何と名付けよう。そうさな……。関平かんぺい……。この関羽かんうの嫡男、関平ぞ!」


 儂は大いに驚いた。


 まず、生きている事、そして赤子になった事、何より蜀の五虎将軍の筆頭、万夫不当ばんぷふとう(一人で万の軍勢に匹敵する武勇?)の関羽の息子だと! 確かに関羽の姿は噂もしくは伝説で語られた通りの姿だ。


 もしや? 前世よりも更に過去に生まれ変わっただと! 転生というのか? 儂は天界にも、地獄にも行けぬ程罪を犯したのか? まあ、良い。


 何やら生きていると安心したら腹が減って来たな?


「オギャー」


 まともに喋れぬ。


 すると、見慣れぬ十代後半の女が乳を出してきた。


 どうやら、腹が減ったのに気付いたらしい。


 女の乳に口を当て吸い付いた。


 色香を忘れて何年位経っていたのだろうか? 女の匂いと乳の感触で何やら興奮してきた。


 その時。


 下半身から尿を漏らしてしまった。


 恥辱だ……。


 しばらくはこの身体に慣れるのが、第一の優先課題だ。


 それから、どのくらい過去か調べるとしよう。

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