第57話 確実性を求めます
家に帰って俺たちは魔法で洗浄し、ご主人はお風呂へゴー!
まだ昼だけど運動したし、お風呂入りたいらしい。洗浄よりもお風呂を選んだご主人はなかなかにお風呂好きだ。
大人になったらペット可の温泉宿に行こうねって約束もしてる。
ご主人がお風呂の間に俺たちはボタンを押せばカリカリが出てくる装置を使ってご飯タイム。
少量ずつなので連打してる。
午後からの予定は聞いてないけど、ご主人はインドア派なので家でゴロゴロする可能性が高い。
キャットタワーに設置されてるハンモックにダランと乗っかって、お昼寝。
これぞお猫様の本来の姿である!
ヤクシは今ネットで動画あさりしてるので最近はお約束ネタとかもわかるようになってきた。
うむ、俺たちは自由だ。
ご主人はご飯を作って食べたあと、テストがあるから勉強しなきゃと言って部屋に入った。
邪魔できんやつだけど、たまにかまってちゃん発病して邪魔してしまう。
くっ、猫の本能には逆らえない!ご主人撫でろー!遊べ遊べー!
なんでご主人が勉強してると邪魔したくなるんだろ?不思議。
勉強机の上、教科書の上に香箱作りたくなる不思議。ご主人は苦笑いしながらお腹こちょこちょしてくれるので、それで我慢して下りるのだ。
「ミロクはこういうとこ猫だよね?」
「にゃ」
俺は産まれた時から猫だが?
邪魔しちゃ悪いと思いつつ、ご主人の足元に行ってゴロン。ご主人は軽くふみふみしてくれる。
足で良いのだ、かまってちゃん病だから!
暫くしたら寝てた。ご主人は居なくて部屋は暗い。ドンだけ寝てたのか、もう夕方らしい。
部屋から出て、夕飯作ってるご主人発見!
「にゃぁ」
「あ、起きたんだね?おはよう」
うむ、おはよう。
「にゃ?」
「勉強はちゃんとやったよ?」
このご主人、実は家で勉強しなくても学校の授業聞いてればテスト出来るご主人なのである。
けど、ちゃんと家で復習と予習もしちゃう真面目ご主人なのである。
しかし、たまに勉強してると見せ掛けて洋書の翻訳してたりする。
仕事とかではなく、趣味らしい。
気になった本を自力翻訳してファイリングして、翻訳したほうを読むという趣味。
最近はオススメしたラノベを英語に訳して読むのも趣味になったみたい。ただ、日本語に当てはまる英語が無いってことが多いから逆翻訳は大変らしい。
もっとゲーセン行くとか、カラオケ行くとか、若者っぽい遊びもしてくれないと俺は心配になるのだが?
今度、良い感じのゲームを買ってご主人にプレゼントしよう。
よし、今度ねだってゲーセン連れて行こう俺には音がうるさすぎて地獄だが、魔力でカバー作っとけばマシになるだろ。
あと、おっさんに今回のわびとしてご主人を遊園地とかに連れてってもらったり。
……高村に言ったほうが確実性はあるな、高村に相談しよう。
猫はダメでも小型テイムモンスターはオッケーのとこもあるし、ヤクシ連れてってもらって、卵鑑定の報酬にすれば確実だろうな。
一般的なご家庭で行われるであろうイベントを、今からでもご主人に体験してもらおう計画をゆるっと進行中なのである。
実際にはご主人の子供時代知らんけど、ジジババに遠慮しまくってたとは聞いてる、おっさんはポロっとそういうこと言っちゃうからダメなんだ。
まぁ、おっさんにデリカシー求めた俺がいけなかったんだと諦めた。
「うにゃにゃーん」
「え、なんだって?」
「うにゃ」
なんでもない。
「いや、絶対変なこと考えてる」
「にゃん」
「ん?叔父さんに報酬何もらおうかな?って?」
「にゃにゃ」
「あぁ、卵ね。お金はいっぱいだから物をもらおうかなって?」
「うにゃ!」
「え?旅行?あ、夏休みにペット可の宿でって話?」
「にゃん」
「それはいいね!宿探しから予約まで全部…………叔父さんに任せるのは怖いね」
「にゃ」
それな!
「うん、ちょっと候補をあげとこうね」
ご主人は博打しないタイプなのだ。
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