第137話 使えた!
「アキラさん!」
「おお! 花子さん、まどかちゃん!」
モンスターの発生場所に向かう途中、2人と合流するアキラ。
「せっかく家族でのパーティーだったのに、災難でしたね」
「ああ……仕方ない。今回のモンスターはレベル20のボスモンスタークラスらしいよ……」
「レ、レベル20のボス!? それって、人間界じゃ私たちでもキツいですわよね!?」
さすがのまどかも今回は焦っている。
「アキラさんとまどかちゃんは剣の達人だとしても、ダンジョンアイテムや能力アップアイテムがなかったら、私たち、ただの人間ですよ……!?
私にいたっては魔法が使えなければ、その辺の人より運動神経悪いんですよ……?」
「うん……そのことなんだけど。
花子さん『炎帝のブレスレット』は装備してる?」
「え、ええ。使えないのはわかってますけど、一応、常に着けてますよ?」
花子は腕に付けたブレスレットを見せる。
「……花子さん。ここで軽く炎魔法を出してみてくれないかな!?」
「は!? な、何言ってるんですかアキラさん!?
魔法はダンジョン内でしか使えないんですよ?」
「わ、わかってるよ! ちょっと気になることがあって! 軽く、本当に軽く魔法を出してみて」
「まったく……どうしちゃったんですか?」
花子は仕方なく言われた通り、空に向けてこの魔法放つ。
当然、魔法なんて出るわけはないと思って、適当に手のひらに力を込めるが、
『ゴゴゴ……』
「……えぇ!?」
花子の手からは火の球が飛び出し、花火のように空に舞い上がる。
「な、なんで魔法が!? どういうことですかアキラさん!」
「やっぱり……よし、2人ともダンジョンアイテムは持ってきてるよね?」
「は、はい。大事なものだからいつも持ってますが……」
「すぐに装備しよう!」
3人はダンジョンアイテムを装備する。
攻撃力、防御力、スピードアップアイテムなどだ。
当然、今まではダンジョン内でしか、その効力を発揮しなかったが……
「あ、あれ? なんか体が軽いような!?」
花子はピョンピョン飛び跳ねる。
「間違いありませんわ! いつものダンジョンほどではない気がしますけれども、能力アップアイテムの効果が出ていますわ!」
「よし……急いで現場に行こう。移動しながら話すよ」
3人はモンスターの発生場所に走る。
スピードアップした3人は飛ぶように駆けていく。
アキラはさっきの凛の『泡の棒』からシャボン玉が出た話をした。
以前よりもこの世界と異世界の繋がりが濃くなってきているのではないか? と、アキラは説明した。
「なるほど……それでダンジョンアイテムが使えるようになったんですね」
「うん……その分、ますます強いモンスターが現れるようになったってことかも知らないけどね」
はじめはスライムから始まったモンスター災害。
次にゴブリンが現れた。徐々に強いモンスターが人間界に現れ始め、今回はレベル20のボスモンスタークラス。
間違いなく、大規模なモンスター災害が近づきつつあると感じる3人だった。
★★★★★★★★★
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