第57話 強化石の使い時
「それで今日はどうしたんだ? 水着配信で稼いだ金で高いアイテムでも買ってくれるのか!?」
目を輝かせる店長。
「本当サイテーね……」
ゴミを見るような目で店長を見る花子。
「いえ……買い物ではなくて、ダンジョンガチャでゲットした使わないアイテムを買い取って欲しいのと……コレって店長分かりますか?」
アキラはダンジョンでいくつか手に入れた
「おお、強化石かじゃねェか! そこそこレベルの高いダンジョンでたまに手に入るな。大事なアイテムだ」
「コレを使ってアイテムを強化することが出来るって本当ですか?」
「ああ、ウチじゃ無理だが
「錬成師!? そんな人がいるんですね。お金がかかるは仕方ないか……よし、このあとさっそく行ってみます」
アイテムを強化できると知ったアキラは喜んだ。
「あー、まあ強化は出来るが……今のボウズのアイテムだと……『銀の盾』がレア度★★★☆☆、『鋼の剣』がレア度★★☆☆☆だったな?」
そんなアキラに対して、店長は歯切れの悪い口調だ。
「はい……なにかマズイですかね?」
不安そうに尋ねる。
「うーん……できればもっとたくさん強化石を集めてから錬成した方がいいんじゃねェかな? 2,3個の強化石で錬成しても対して強くならないと思うぞ?」
「あー、そうなんですか……」
「ああ。トップ冒険者たちは箱いっぱいの強化石を集めて錬成してるぞ。
それっぽっち錬成しても金の無駄じゃねェかな?」
「箱いっぱいの!? 俺達だといつになるかな……?」
アキラは手に持った数個の強化石を寂しげに見る。
「それと何より……強化石を使うアイテムは、一生モノのアイテムに使う方がいいんじゃねェか?
仮に今使ってる『レア度★★★☆☆ 銀の盾』に何個も強化石を使ってパワーアップさせても、レア度★★★★☆やレア度★★★★★の盾を手に入れたらそっちを使うだろ?」
店長の目つきが真剣に変わる。
「う……たしかに……。一生モノ……ですか」
「ああ、お前らの今の装備でもレベル10、20くらいのダンジョンなら通用するだろうが……
トップ冒険者たちが行くようなダンジョン。例えばレベル50オーバーのダンジョンはその装備じゃ通用しないぞ?」
「で、でも私たちは……トップ冒険者を目指してるわけじゃ……」
花子が店長に言う。
「……そうだったな。チッ、配信者か。
俺は好きじゃねェが配信者ってのも時代の流れなんだろうな。テーマパーク感覚でダンジョン冒険する奴も増えてるし、ダンジョンの楽しみ方は人それぞれだ。
お前らなら今の武器や防具を強化してもいいのかも知んねェな……」
少し寂しそうに店長は言った。
しかし、アキラは店長の親身な言葉を聞いて思った。
「……うん。ありがとうございます。強化石を使うのはまだ待ってみます。俺だって……上のレベルのダンジョンを諦めてる訳じゃないですから!」
「ガッハッハ! そいつはよかった! 男はそうじゃねェとなッ!」
アキラがそう言うと店長は豪快に笑った。
「アキラさん……ちょっとカッコイイ……?
わ、私だって強いダンジョンに行けるなら行きたいですよ!」
花子は慌てて言った。
「私もですわ……!」
店長の迫力に怯えるまどかも小声でつぶやいた。
「ガッハッハ、嬢ちゃんたちも
ご機嫌になった店長はアキラたちが持ってきたアイテムの値段付けを始めた。
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