Only1の恋 ~カノジョで始まる物語~

有栖川葉月

プロローグ

音楽しかなかった俺の世界にカノジョが現れた。

とても輝いていた。

この日世界はとても暗かったから、余計に眩しかった。

カノジョは言った。

「どうして好きな音楽をやっているのに楽しそうじゃないんですか? 」

俺は何も言い返せなかった。

女子高生に痛いところを突かれたからとかじゃなく、

ただ単純にー…自分でも分からなくなったから。

 そして本当に俺は音楽を楽しんでやれてないことに気付いてしまった。

「蒼さんー…。私は蒼さんの曲、大好きですよ! でも音楽は、無理やりやってはいけません。だって…歌は人の心を動かすんですから。蒼さんの気持ち、大事ですよ。蒼さんが悲しみながら作ったら聴いた私も悲しくなるし…だから、自信を持ってください! 」


純真なカノジョに惚れてしまった。

いつからかカノジョよりも俺の方がカノジョを好きになった。

昨日の君よりも今日の君がすきだ。

約束だ。君のための曲を届けるよ。


『君は 世界一 美しい 蝶 』

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