第25話「音楽の可能性」

闇の力を全て解放したベルアゼスは先に戦士達を倒してミューズを絶望させようと彰達に迫る。


「くっ……黙ってやられてたまるかよ!!」

彰と琴音が前に出る。

「皆は下がってて」

彰と琴音は『変身』

ボイスとフォルテがベルアゼスに戦いを挑む。

「お前達は茂を安全な場所に連れて行け!」

「わ、分かった……辰哉君、太一君手伝って!」

「お、おう」

「分かった」

ボイスとフォルテは連続してベルアゼスに攻撃を畳み掛ける。

だが、ベルアゼスは微動だにしない。

「何で?全くダメージを与えられてる気がしない!?」

「最早お前らの攻撃なんてどうって事ないぜ……」

「そんなバカな!?どんだけ強くなってんだよ!?」

「今度はこっちから行くぜぇ」

ベルアゼスは闇のエネルギーを集めボイスとフォルテに向かって放つ。

「ぐぁぁぁっ!?」

「きゃーっ!?」

2人は一瞬で変身が解除されてしまった。

「な……なんだ……このデタラメな強さは……」

「力の差が……有りすぎる……」

「トドメだぁ」

「ボイス!?フォルテ!?」

ミューズは叫ぶ。

「ミューズ、良く見とけよ……仲間の死に様を……」

ベルアゼスはは再び闇のエネルギーを集め始める。

「くっ……あの技を生身で食らったらヤバいぞ……」

「に……逃げなきゃ……本当に死ぬ……」

そしてベルアゼスは闇のエネルギーを2人に向けて放つ。

「死ねー!!」

だが、2人とベルアゼスの間にブリッランテが割って入る。

『ライジングストライク』

ブリッランテの必殺技がベルアゼスの攻撃を相殺。

「何っ!?」

「ブリッランテ!?」

「ハァ……ハァ……2人共……大丈夫か?」

「ああ……助かった……」

「でも、今の攻撃で俺もエネルギーを消耗しきった……次はかわせないぞ……」


その様子を離れて見ているジーグ。

「……何故だ……何故まだ戦う?」


「ブリッランテ……ここで全滅する訳には行かない……ここは引いてくれ」

「バカな!?仲間を見殺しに出来る訳ないだろ!?」

「しかしだな……」

「安心しろ……全員纏めて葬ってやる」

ベルアゼスは再び闇のエネルギーを集め始める。

しかし……。

「ぐっ……力を使い過ぎたか……」

ベルアゼスは闇のエネルギーを消耗し集める事が出来なくなっていた。

「チッ……貴様らとの決着はお預けだ……」

ベルアゼスはミューズを離し撤退。

「た……助かった……」

「いや……助かってなんかない……今の俺達じゃベルアゼスには勝てない……」


その頃、辰哉と太一に連れられた茂は病院に辿り着いた。

しかし、この病院にも多くの被害者が運ばれベッドが空かない状態だった。

「クソッ……参ったなぁ……茂を寝かせてやりてぇのに……」

だが、その時……。

「うっ……」

茂が意識を取り戻した。

「茂?」

「あれ?……俺……何で?」

「茂!気が付いたの?」

「栞?……おいおい……なんて顔してんだよ……」

「良かった……良かったぁ……」

栞は茂が意識を取り戻した事で安心したのか、大粒の涙を流し泣き崩れてしまった。

「おいおい!?何だよ!?どうしたんだよ!?」

「ハァ……お前危うく死ぬかも知れなかったんだぞ?」

「え?……あっ、そうだ!俺……ドレイクと戦ってて……おい栞、皆は?」

「皆は……ベルアゼスと戦って……」

「何だって!?くっ……俺も行かなくちゃ……」

「ダメよそんな体で……」

「でも……皆は……戦ってるんだろ?だったら俺も行かなくちゃ……」

その時、栞のスマホに電話が掛かって来る。

「ん?ミューズさんからだ!」

栞が急いで電話に出る。

「栞さん、ビートの様子はどうですか?」

「今意識を取り戻した所です!」

「そうですか……それは良かった……あの……ビートを連れて本部まで来て頂けませんか?」

「え?」

「今、アベルド総帥から連絡があって。奏での戦士団最強のチームが日本に向かってるそうです。なので、これからベルアゼスとの最後の戦いに向けて作戦を立てます」

「……でも……茂は今……」

「代われ!」

茂が栞からスマホを取り上げる。

「あっ、ちょっと!」

「ミューズさん?俺は大丈夫です。今から行きます」

「ちょっと茂!そんな体で……」

「心配してくれてありがとうな……でも、音楽は俺の……いや、俺達の夢だし……絶対に守りたいんだ。ベルアゼスなんかに……奪われてたまるか!」

「茂……」

「分かった。行って来い茂」

辰哉が背中を押す。

「そうだね、俺達の夢守ってくれ」

「2人共……ああ!」

「はぁ……そうね……茂達の夢……だもんね……私……茂の夢ずっと応援してきた……だからその夢を守る為なら応援する!必ず勝って来て茂!」

「ああ……ありがとうな!」

茂は奏での戦士団本部に向かって行く。


その頃、ジーグは……。

「奏での戦士団最強のチームか……確かに戦って相手するのは面倒だな……なら、その前に消しておくか……」


そして茂は奏での戦士団本部に到着。

「うわぁ……酷いなこりゃ……」

茂は壊滅した本部基地を見て唖然とする。

「来ましたねビート……」

「ミューズさん!皆も無事だったんだな」

「ええ……」

そして、彰、琴音、裕二もやって来た。

「残ったのは俺達だけだ……もうクインテットストライクも使えないし、後はお前のロックスターフォームが頼みの綱だ。俺達は全力でお前のサポートに回る。だからお前はベルアゼスを倒す事だけに集中しろ」

だがそこに……。

「ところがそうは行かないんだなぁ……」

現れたのはジーグ。

「ジーグ!?」

「今、奏での戦士団最強のチームが日本に向かってるんだろ?そしてその手段は飛行機……いやぁ、全く無防備だねぇ」

「何だ?何が言いたい?」

「彼らの乗った飛行機を攻撃して墜落させればそれで全滅……いや、空中で爆発になるかな?」

「何だと!?テメェ何企んでやがる!!」

「この事はまだベルアゼスは知らない……つまり俺を止めれば最強の戦士達が死ななくて済むって訳さ。最強チームを乗せた飛行機は明日の朝には空港に着く……そのタイミングで飛行機を攻撃するつもりさ……だからその前にビート!一騎打ちだ」

「一騎打ちだと!?臨むところだ!」

「飛行機の到着は明日の朝9時だ。その30分前、8時半にココに来い」

そう言ってジーグは1枚の紙を渡した。

「明日の戦いを楽しみにしてるよ。あっ、それと……ベルアゼスの方はいつ仕掛けて来るか俺にも分からないからね」

そう言い残すとジーグは去って行った。

「くっ……これ以上仲間を失う訳には行かない……俺はジーグと決着を着けに行って来る。皆はベルアゼスの方を頼めるか?」

「勿論だ。こっちは任せろ」

「でも……勝てるのかしら……」

「琴音さん……確かに……俺達の力じゃ勝てないとは言いましたよ……でも、だからって諦める訳には行かないですよ」

「そうね……弱気な事を行って悪かったわ」

「皆さん……明日の戦いに備えてゆっくり休んで下さい」


-翌日-

「じゃあ……行って来ます」

「ビート……気を付けて下さい」

「必ず勝って来いよ」

「うん!」

茂はジーグとの戦いに向かった。


「あの……ミューズさん……俺達……昨日作戦を考えたんですけど……」

「え?」

「この作戦にはミューズさんの力が必要不可欠なんです」

「分かりました。何でも協力しましょう」


そして茂は決戦の地へ……。

「来たなビート……もう直ぐ最強チームを乗せた飛行機が到着する。それまでに俺を倒せるかな?」

「必ず勝つ!勝って仲間も音楽も守ってみせる!」


茂は『ビートチェンジャー』の音色を奏で『変身』

ビートが登場。

「ジーグ……お前を倒す!!」

ビートがジーグに戦いを挑む。

決着なるか!?


続く……。

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