第5話 2日目①
朝、ラポーラはくすぐったくて目が覚める。目の前にはキュービーが一緒に寝ていた。しばらくモフモフタイムを楽しみ、朝ごはんにする。
「キュービー、今日は森を歩きながらアイテムボックスがどれだけ使えるか確認したいと思う。一緒にいくか?」
キュービーは食事に夢中だが、しっぽは振っているので一緒でいいだろうと考えた。
昨日の夜の検証である程度創造魔法についてわかった。
・消費魔力は大きさと重さで魔力が決まる(家より大きな創造魔法はまだ使っていない)
・創造したものは削除で消す事が可能(消すのは魔力は必要ないが、創造したものの魔力は戻ってこない)
・創造したものはアイテムボックスに入れる事が出来る
・家は朝になっても消えず、魔力も減っていない
・生き物、金属はやっぱり創造出来なかった
・創造したものだけで発動などはできない
・食べ物系も生き物となるのか創造出来なかい
・石は金属が含まれているのか創造は出来ない
以上が昨日の夜中まで起きて行ってわかった内容だ。後はアイテムボックスの事が分かれば、街に行って見てもいいかなと思っている。少し不安だが。ちなみぬ魔力は朝起きると元に戻っていた。起きてる間も時間で回復するようであった。
「キュービー行こうか。」
ラポーラは言いながら、昨日創造した家を削除で消す。残してても、この土地が誰かのものだったり、見つかったりして何かあってもややこしいとの理由で削除したのだった。もうここには戻らないしな。多分…
食事もしっかり摂ったキュービーは昨日より大分元気な姿になっている。水浴びもして毛並みもフワフワである。良かった良かった。
「創造魔法 地図」
ラポーラは創造魔法で周辺の地図を創造した。地図には森と周りにある町らしきものや川などの情報が描いてあるが、街の名前とかは書いていなかった。ラポーラはまずは街とは反対の方に行くことにした。
歩きながら気になる創造が難しい、植物や果物、石を中心になんでもアイテムボックスに入れていく。アイテムボックスは便利で鑑定のスキルも付いている。ラポーラの創造魔法は物資は出せるが、鑑定や強化能力などの類は創造する事は難しいようであった。
アイテムボックスに入れた草は、食べれるものか、毒はあるか、価値のあるものか、などさまざまなランクを付けてくれているので、どの草を獲れば良いのかよくわかる。他の物もなんでも鑑定付きなので集めるのが楽しくて仕方ない。
草や果物、石は生き物として捉えられているのか、創造出来なかったので、今は自分で採取し確かめるしかない。創造魔法も完璧ではないな。
ラポーラは前世のとき小学生の頃から福祉人間だったので、自分の気持ちは押し込み相手の利益になる事を考えて行動する事が染み付いていたので、自分の事は後回しであった。定年になり、自分の事をしていこうと決めた矢先の転生であったので、今はこんな事でも自分の事でも新鮮でとても楽しい時間を過ごせている。
キュービーも負けずにラポーラにたくさんの獲物を咥えて運んで来てくれている。中には小動物も捕まえてきてくれている。小動物をアイテムボックスに入れた際、魔獣リシュと出て、なんと便利な事に皮・肉・魔石・骨と分けてアイテムボックスに入ってのこりの血とかは何故がなくなっていた。魔獣ごとに4つの枠を使うのでデメリットもあるが、解体はしないで済むのでメリットの方が多いかな。
「ありがとうキュービー。お前は狩もできてすごいな。そうだ。私も狩が少しでも出来るようになりたいな。キュービーは獲物を見つけることは出来るか?」
ラポーラもキュービーに負けないぞと意気込んで小さな魔獣を狩ってみることにした。ラポーラの話に鼻が高くなったキュービーは嬉しそうに上を向いた。
キュービーは鼻が効くようでラポーラを魔獣まで案内してくれている。
少し歩くとキュービーが動きを止めた。ラポーラは片手に神様からもらった短剣ともう片方の腕には創造魔法で作った木の盾をつける。創造魔法は攻撃には不向きであるが、自身を守る防具はある程度創造できそうだ。早く金属系が創造出来れば良いのだが。
キュービーが案内してくれた目の前には体長1メートルほどのヘビみたいな魔獣がいる。ラポーラは噛まれないように間合いをとりながら短剣を振り回す。
ラノベで読んだように上手くは行かず、知識だけでは身体が反応しない。ラポーラはまだ街には行けないなと感じた。まずは魔物くらいに襲われても自分で守れるようになろうと思った。
攻撃された蛇型の魔獣は牙を剥きラポーラに飛びつく。ラポーラは盾で蛇型の魔獣を止め、落ちた所を空かさず短剣で首辺りを刺すことに成功する。蛇型の魔獣は少しの間首から下をクネクネさせていたがすぐに動かなくなった。
「やったぞ!やっつける事ができた!ありがとうキュービー!」
ラポーラは異世界に来て初めて自分の気持ちを外に思い切り出しながらキュービーを抱きしめた。自分らしく生きる第一歩となった。でも、少し時間が経って、自分のはしゃぎ様に恥ずかしくなった60代の安田であった。
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