蝉時雨届かぬままの僕の声


※君の名を呼べど返るは蝉の声 を添削しました。



一緒にいる時間が楽しくて

君の笑顔に心が癒されて

でも

君は体が弱くて

残る命は少なくて……


別れは当然のようにやって来た

夏はまだ始まったばかりだというのに――


この場所から君を呼んでも

蝉の声にかき消されてしまう

君に届いて欲しいのに

結局

僕は自分の想いを

ポケットに仕舞った


行かないで

行かないで

僕の側に居て


涙ににじむ世界で君の影を追う

遠くなる影は 消えた


もう一度君を呼ぶけど

ポケットから取り出した僕の想いは

今もただ

蝉時雨の隙間に挟まっている



元の句

君の名を呼べど返るは蝉の声


本文を多少変更しました。

(5月31日)


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