アメジストセージ;Salvia leucantha

 アメジストセージはメキシコから中米原産のシソ科アキギリ属のセージの一種です。学名はSalvia leucanthaサルビアレウカンサSalviaサルビアは、salvare(治療)、salveo(健康)が語源とされ、この種の植物は薬用になるものが多いです。アメジストセージの名称は美しい紫色の花を宝石のアメジストに喩えたことから由来します。メキシカンセージ、メキシカンブッシュセージや学名のサルビア・レウカンサでも呼ばれます。


 秋頃、すっと長く伸びた花茎の先に縦に連なるように紫色の花穂を付けます。ビロード状の花は見た目も感触もとても柔らかで、鮮やかな紫色の花が風に揺れるように咲く姿は美しく、目を奪われます。とても丈夫で植えっぱなしで年々大株になり、大株になると紫色の長い花穂が株一面を覆うように咲き誇り、秋の庭を美しく彩ります。


 主に観賞目的で植えられます。シルバーグリーンの葉と晩夏から秋にかけて咲く紫色の花が美しく、広いスペースに植えると目を引きます。葉を乾燥させ、スパイスやハーブティとして利用することができます。


 アメジストセージを詠んだ短歌ブログや俳句ブログを見かけていますが、アメジストセージは一般的に季語としては認められていないので、秋や晩秋の季語と合わせて詠まれているようです。アメジストセージも含め、アオギリ属のいろいろな種類のセージをサルビアとして詠んだ尾崎左永子さんの短歌を一首ご紹介いたします。


サルビアの小花散りしく黒土のうるほうごときゆふべとなりぬ  尾崎左永子


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