19話☆ 爽やかイケボ系紳士ゴリラ


キーン↑コーン↓カーン→コーン↑


 


「はい、朝のホームルームを始めます!」


「起立!気をつけ!礼!ふぁっきゅーニャル!着席!」


『ふぁっきゅーニャル!!』 


 


謎の挨拶をして着席する。挨拶でも罵倒されるニャル先生…本当は「いあ!いあ!」だったけど皆が勝手に「ふぁっきゅー」に変えたんだよね、しかも先生も黙認してるという


 


「えー、まず大事な話があります!それは…5日後体育祭ってことです!」


『は?』


「え?い、今なんて?」


「5日後、体育祭です!」


『5日後?』


「はい!5日後です!」


『えええええ!!!』


「練習期間は?」


「5日間です!」


『ふざけるなぁぁぁ!!』


 


まあ、こうなるよねって簡単に予想できた。こんな事言われたら誰でもキレるよ。


あ、隣のクラスからも雄叫びが聞こえてきた


 


「ということで時間がないので時間割が変更です。1時間目を体育に、2時間目を体育に、3時間目を体育に、4時間目を体育に、5時間目を体育に、6時間目を体育になります!」


 


は?え?ろ、6時間全部体育?いやいやいや意味わからん。え?いくら自由でもやっちゃいけない事もあるんだよ?私達をサイボーグか何かだと思ってる?


 


『ふざけんな!!』


「嘘です。2〜3時間が体育になります。1時間目は種目決めです。後は平常通りの授業です。」


『はぁ…良かった』


 


さすがにありえないよね、てかこの学園の体育祭の種目って不安しかないんだけど


 


キーン↓コーン↑カーン↓コーン→


 


「はい、言った通りに種目を決めます。まず司会の体育祭実行委員を決めるのでやりたい人居ますか?居なかったらルーレットになります。」


「「ハイッ!」」


「お、ありがとうございます。早く決まりましたねー、それじゃあ司会をお願いします。これが種目の一覧です。」


 


いやー、マジで手を挙げてくれる人には感謝しかない。こういうのは誰も手を挙げないで虚無の時間を過ごすことになるからねー


 


「これが種目です。」


 


・クラス対抗リレー 16人 (男女混合で8人ずつ)


・芝2200 2人


・ダート1600 2人


・100m走 5人


・障害物競走 2人


・二人三脚 4人 


・パン食い競走 2人


・借り者競走 2人


・綱引き 全員


・eスポーツ 6人


・ドッジボール 全員


・ニャル杯(武闘会) 1人


・ニャル飛ばし 2人


・部活対抗リレー


・生徒対先生リレー 学園指定


 


 


………


『………』


「言いたい事は分かります。痛いほど分かります。だけどしょうがないんです!」


「あー、謎の物を解説していきます。えっと…芝2200はそのまま芝で2200m走ります。ダート1600も同じように1600をダートで走ります。次にeスポーツですね。これは運動が苦手な人用にEPEXで大会をします。次にニャル杯ですね。これは単純に武闘会をします。当然、安全面は考慮されているので安心して挑んでください。最後にニャル飛ばしですね、ニャル飛ばしは砲丸投げの様にニャル先生を飛ばし、飛距離を競います。これで説明を終わるんですけど…質問ありますか?」


「質問というか、ツッコミどころしかないんだけど…」


「質問ないですね。それじゃあ選手決めです。まずクラス対抗リレーから──」


 


 


〜十数分後〜


 


 


「おお、時間内に決まったのは初めてです!それじゃこれであよろしくお願いします!」


 


意外とスラスラ決まった。沼ったのは芝2200とダート1600、ニャル杯だった。まあ、うん、これはしょうがない。盛大に沼った上で何故か私がやることになったんだけどね。しかも全部。これもニャルって奴が悪いんだ!勝手に乱入して勝手に私で選手登録して、しかも「良いことしたぜ、ドヤァ」みたいなドヤ顔してきたニャルって奴のせいなんだ!


まあ走れるからいいんだけどね。


 


キーン↓コーン↓カーン↓コーン↑↑


 


次は体育だし校庭に移動しなきゃ


 


 


〜校庭〜


 


 


「はい、皆揃ってるね?それじゃあ挨拶を」


 


毎回思うんだけど体育の教師がゴリラでしかも声が爽やか系のイケボっていうね、もう違和感有り過ぎて逆に違和感無くなってきたんだよね


 


「さて、今日は学年種目であるドッジボールを練習していこうと思う。芝やダートはさすがに皆で練習できないからね」


『うおおおお!!!』


「ハハッ皆元気良いね、僕も元気になってくるよ」


 


言ってる事は正論でまともだしイケメンなんだよねぇゴリラなのに


 


「ルールを説明するね、男女混合で半分に分かれてもらうよ。顔に当たった場合はセーフで、当たったボールを他の人が取ってもセーフ。複数人に当たったら当たった人が全員アウトになるよ。これは運動会も同じルールだけど男女別だから気を付けてね」


 


 


〜三人称視点〜


 


 


「皆分かれたね?それじゃあ!試合開始!」ピーッ!


 


ホイッスルの音と共に試合がスタートする。最初は主人公の敵チームのボールである。


 


「ふっ、我が漆黒のデスボールを喰らえ!」


 


暗黒騎士がボールを勢いよく投げる。そのボールは黒いオーラを纏っており当たってはマズい雰囲気をしていた。


 


「フンッ!いいボールだ!しかし、熱さが足りない!」


「ぐわあああ!!!」


『鈴木ぃぃぃ!!』


「すまぁぁん!!」


 


熱盛が放ったボールが鈴木の鈴木にクリティカルヒットする。これにより鈴木は漢女おとめへと一歩近付いたことだろう。哀れ、鈴木


 


「さ、さすがにあれはセーフにしない?」


「我もそう思うぞ…鈴木、無事か?」


「あ、あぁ、お、おおお俺はまだやれる…」


 


そう力弱く言い放った鈴木であったが足は産まれたての子鹿のようにぷるぷると震え、立ち姿はとても情けなかった、それでも鈴木は諦めなかった。


 


「俺には病気の妹がいる…ここで諦める訳にはいかないんだ!」


『鈴木…!!』


「うんうん、無事そうで良かった。それじゃあ試合を再開しよう。体調が悪くなったら直ぐに言うんだよ」


 


仕切り直し試合を再開する。今度は鈴木が犠牲になることなく進行していく。


 


「俺達が鈴木を守る!」


「安心しろ、俺達が居る」


「お前…任せたぜ!」


 


誰か忘れたが鈴木の親友が鈴木を守ろうと鈴木の前に立つ。そこに立ちはだかるのは我らが主人公、そのゴリラよりも遥かに強い剛腕から放たれる球は──


 


「すまねぇ!」


「ありゃ無理だ」


「お前r───    !!!!(声にならない叫び)」


『鈴木ぃぃぃぃぃ!!!!!』


「あ、ご、ごめんなさいっ!」


 


前に立つ人物を簡単に退かせ無防備だった鈴木に着弾した、それも鈴木の鈴木に。主人公が力加減をボールを持った事による投げろとの周囲のプレッシャー(勘違い)により間違えて投げた球は大砲の如きを誇った。その球を受けた鈴木の鈴木は完全に機能し無くなった。祝え!ここに新たな漢女が誕生した!


 


「大丈夫…じゃなさそうだね。僕は急いで鈴木君を保健室に連れて行く。君達は試合を続けていてくれ。」


 


今の鈴木の状態はまさしく「悲惨」というのに相応しい。


顔は青を通り越し白くなっている。口からは泡を吹き出しており股間に手を当て気絶している。また、時折ピクピク痙攣しているためその痛さが想像できるだろう。


 


「はぁい!生徒のピンチにすかさず登場!ニャル先生だぞ☆皆、敬うがいい!」


 


ゴリ先生が鈴木を保健室に運ぼうとした瞬間ヤツが現れる。


 


『帰れ!ゴミカス!』


「ふんっ、いつまでも言われっぱなしのサンドバッグじゃないんだぜ?こいつは頂いてくぞ!大丈夫、安心しろ。明日までには帰してやるからよぉ?まあ、こいつが正気を保ってられればの話だけどなぁ!キャハハハハ!!!」


『鈴木ぃぃぃ!!』


──────────────────────


鈴木

これにより女になってしまった哀れなヤツ、準レギュラー


鈴木の親友

忘れてると思うが名前は田中と佐藤。作者も忘れてた

鈴木を裏切ったことにより罪悪感があるので償いとして自分達も女になることを決意した。


ゴリラ先生

本名をゴリラ・ゴリラ・ゴリラ、長いので皆ゴリ先生やサンゴ先生などと呼んでいる。爽やかイケメンボイスで性格も紳士実は既婚者でエルフの妻がいる。エルフが何故いるか?うるせえ!ここは神栄学園だ!


いあ!いあ!○○

いあ!いあ!は○○を称える言葉。みんなはニャル先生を称えるのが気に食わなかった

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