笹川流星の証言

 次は俺か……。どっちかって言えば喋りたくないんだがな。

 名前は笹川流星ささがわりゅうせい、中三だ。

 ああ、あの日の話をすればいいんだろう? 全く、ふざけたことになりやがったな。三年前だろ? どうやって思い出せっていうんだよ、くそっ。俺は、えっと、なんつったっけ、柳田さん? のようにスラスラとは出てこねぇよ。

 とは云っても、俺が喋らなきゃ進まねぇんだろ?

 そうだな、多分、朝起きてから歯、磨いたり、まあ、そう云うルーティーンを終わらせてって、ううん、どうだっけな。

 ああ、そうだ。俺も出かけたな。あれだ、ダチとウィズシネマ行ったわ。題名……えっと、あれだ「星が消えた日の夜」だ。見始めたのが、確か一時くらいだな。そんで、終わったのは三時ぐらいだな、多分。

 そんでダチと別れて、家に帰った。

 その後は塾だな。さかえアカデミーってとこだ。駅前の。

 授業が終わったのが七時半。家に帰ったのは、寄り道してなきゃ七時五十分ごろだ。そんで、その後は家にいた。

 最後に疑問を提示しておく。俺はあの日、ここに来ていない。

 

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