好きなものを好きなように①

 というわけで、今日は弟様からの話題提供「スペースで挙げた本のレビュー・感想」についでです。

 と言っても、わりと喋ったことを忘れる人間なので、なんか色々すっ飛ばしていたらそれは私の記憶力が悪いということで。


 大体スペースで話している本と言えば、小説の書き方とか、地理・歴史の本とかを挙げてるんですが、児童書の話もしますた。

 私の中の児童書は主に、フォア文庫>青い鳥文庫>つばさ文庫の量で読んでいたのですが、あまりフォア文庫って有名にならないのですよね。名作いっぱいあるので。


 というわけで、フォア文庫で特に読んだものを3選。




『妖界ナビ・ルナ』シリーズ 池田美代子

 少女ファンタジーの金字塔と言っても過言では無い作品。主人公は竜胆ルナという、とても優しくて、とてもかわいらしい女の子なのですが、彼女の心と尊厳をへし折るような展開が散々続きます。

 まず、彼女は両親を知らず、星の子学園という児童施設で育つのですが、仲良しだった友達サエからはいじめられ、冴えない日々。そんな中、かまちという妖怪が、ルナの友達を襲います。

 血まみれになった友達を見て呆然となるルナ。かまちはルナを『伝説の子』と呼び、『悠久の玉』がどこにあるのか尋ね、襲いかかってくるのです。

 実はルナは、ある妖怪の国のお姫様と、陰陽師の子どもで、この世界に災いをもたらすという『伝説の子』だったのでした……というお話。

 この後ルナは、悪い妖怪を妖怪の世界に送り届け、人間の世界と妖怪の世界の通路を封じる旅に出るのですが、その度にへし折ってくる展開の数々。ネタバレになりますが、「妖怪と人間の恋」「争い会う双子」「宿命を背負った子」が大好きな人はオススメです。私はこれで陰陽師を知りました。

 また、このシリーズは途中から、フォア文庫から青い鳥文庫へ移ることになります。これにより、肥前ロンズは青い鳥文庫の作品も読むようになったのです……。


 私の好きな巻は、Ⅰ期2巻の『人魚のすむ町』。切ない人魚の恋の話と、美しい水の奇術の描写が印象的でした。しずくさんはやはり美しいよ。





『マジカル少女レイナ』石崎洋司

 マジカル王国という魔法の国から、憧れの人間界にやってきたレイナが、友人や自らが経営するペットショップのお客さんを通じて、色んな事件に巻き込まれていくストーリー。

 作者様は青い鳥文庫の『黒魔女さんが通る!』で有名な方です。この魔法使いは善い魔法使いである「白魔法使い」と、悪い魔法使いである「黒魔法使い」のバトルでもあり、また、レイナという小学生を通していろんなお仕事体験をすることができます。

 人が死ぬことはないのですが、とにかく親愛なる人達に裏切られたり、敵対したりします。とくにⅡ期からね。頼れるお姉様セリカがレイナに対してガンガン憎んで嫉妬してたシーンがね…キツぅ……。とにかくハプニングが多めの物語です。

 あと、マジカル王国はスコットランドにあるので、スコットランドの文化にも触れています。


 私の好きな巻は…Ⅰ期2巻の『呪いのファッション』。ファッション対決をするのですが、工夫してかわいい服を作るシーンが印象的でした。でも黒魔法使いはえげつない。なんかね、人に恥をかかせるような呪いのかけかたしやがる。





『はんぴらり!』廣嶋玲子

 作者さまは現在小学生に大人気のシリーズ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』を手がけた方。言うてまだこのシリーズ読んだことない。

 主人公は半人前の神様すず。彼はとてもかわいらしい神様なのですが、半人前(はんぴらり)のため、人々の願いを叶えようとするたび失敗し続けました。そのため、悪霊だと見なされ、笛の中に封じられたのです。

 しかし、和楽器の修理士で人類最強の琴子おばあちゃんに修理されたことで、封印が解かれます。すずはその恩返しをしようとしますが、またしても失敗。琴子おばあちゃんのもとには、妖怪のお客様ばかりが訪れてしまったのです。

 ところが琴子おばあちゃんは最強なので、なんも気にしません。それどころかすずにお礼を言って、家に住まわせることにします。さらに孫の武も夏休みに来ることになり、すずの神様としての修行が始まるのです。


 とにかく描写がときめく。2巻とかご飯がめっちゃ美味しそうだし、3巻は鈴の音や宝石の描写が美しい。特に無月兄弟さまには読んで欲しいシリーズです。


 私の好きな巻は…4巻の『きけんなきけんな鬼退治』。コックリさん、ダメ。絶対。


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