第456話 リア騎士団長の警備! 警備! 警備! 今宵はパーフェクトセキュリティー 終編
最大級の光魔法、その眩い空間が白一面から徐々に徐々に状況を映しはじめる、
まず見えたのは二人の聖女、そう、ソフィーとベルル……全裸に杖のみの姿だ。
急いでホワイトドラゴンで舞い降りる、アイテム袋からマントの予備を二枚渡す。
「とりあえずこれを……何とも無いか」
「ええ、私は、でもミストくんは」
「ミスト様は無事ですわよね???」
真っ先にミストの心配をするふたり、
私も確認に行きたいが、状況が変われば報告が即座に来るはず、
それよりも本当に、完全に魔物が全滅したかの確認だ。
(ソフィーとベルルがマントを身にまとい、周囲を確認している……)
気が付けば魔界とのワープゲート、
闇魔法の渦も消滅している、それだけでは無い、
ソフィー達の造った光魔法の渦も、ソフィベルランドを覆うバリアも……!!
「……朝か」
私の呟きに頷くソフィー、ベルル。
「丁度、雨も止んだようですね」
「朝日が顔を覗かせはじめましたわ」
「魔王は塵になったが、それ以外の敵は転がっているな」
魔物の死体、その数々……
この後、冒険者ギルドへと運び込まれて素材となり、
今回の損失があればその補てんに回されるのだが・
(聖女ふたりが杖で探知をしているようだ)
「……大丈夫です、魔物の、もしくは敵意ある者の反応は……あ、あちらに」
「何っ、どこだ?!」
「大丈夫ですわ、あれは仲良しさんですわ」
なんだ、例の老魔道士が蹴り合っているだけか。
(あれは後回しで良いな)
「いや、あっちは何だ!」
近くの、魔物の骸の山がむくりと膨れ上がった?!
「ふぅ~、危なかったデュフ」
「ボリネー先輩!」
「輝く生命の指輪、最後の、左乳首にはめていた分で生き残ったデュフ」
先輩もなぜか全裸だ。
「済まない、もう予備のマントは無い、私のを……と言いたいが一枚では足りないな」
「大丈夫デュフ、こうやって内股で歩けば見えないデュフ」
器用にチョコチョコと走って行ってしまった。
「姉上!」「ご無事でしたか!!」
弟二人も寄ってきた。
「アルフィー、アイザック、無事か」
「はい、言われた通り地面に伏せました」
「ドロドロですけれどね」
あらかじめのお約束、
もし魔王や大量の魔物でバリアの収縮が間に合わなかった場合、
自爆覚悟のファイナルビッグバンメテオを放つ、その場合は……
(外壁のバリアか、あらかじめ魔法を仕込んでおいた地面にくっつく事)
バリアの方は近くに行けば良いが地面は完全に伏せなければならない、
それでも先輩は巨体のせいで鎧や服を光魔法に持っていかれたのだろう。
「うおーーーい、生きとるかぁーーー」
「まあイジュー先生」「イジュー先生ですわ」「イジュー先生ゆーなっ!!」
モッコス将軍も無事だったようだ。
「ただいまーーーーー!!」
ベルベットの元気な声、
これはどこだ?! と思っていたら……!!
「上か!!」
何か物体が落下してきたと思ったら、
それは……ブロンズゴーレムの首だった!!
ズドーーーンと落ちた上から全裸に杖のみのベルベット。
「ベルベットもご苦労」
「だいばくはつでーーー、くびだけになっちゃったーーー」
「よくやりました、胴体は作り直しましょう」「ですわ、見事でしたわ」
さすがにこれは私の今つけているマントを貸そう。
「ほれ、魔力回復ポーションじゃ」
将軍が聖女三人(ベルベット含む)に渡す、
それを飲み干し、ある程度魔力が回復したのを確認したのち、
声を拡大させる魔法を使い、皆に伝える。
「魔族は討ち滅びました、怪我人、欠損は速やかに治します、
それぞれの確認を行ってください、では、お昼の結婚式でお会いしましょう」
続いてベルルも。
「ですわ、この後の、コロシアムでの結婚式はミスト様には絶対内緒の祝勝会ですわ、
結婚式を祝うと言う建前で、勝利を祝っても構いませんわ、皆で喜び合いましょう!!」
そして次は……
「ではベルベットは、けっこんしきまでねまーーーーー!!」
そう言って落ちるように寝てしまった。
ベルルが大切そうに抱きかかえると、
続いて音響装置を使ったであろう陛下の声が。
「あーあー、この装置よく無事であったな、そんなことより!
国王としての命令はこの後、正午からの結婚式終了までだ、
それまでは、事実上の祝勝会終了までは大教会も聖教会も手を組むように、以上だ!!」
ふむ、遠足は家に帰るまでが遠足、
祝勝会もその遠足のうちという訳だな、
全てが全て、素直に従うとも思えぬが……
(キリィとモリィが走ってきた)
それに反応するソフィーとベルル。
「ミストくんは?!」「ミスト様は?!」
「はい、クノイチふたりからの伝令です、無事だそうです」
「普通にすやすや眠っているそうです」
喜びと安堵の表情が入り混じるふたり。
「良かった~」「良かったですわあああ!!」
膝から落ちた二人に私は代わりに問う。
「ミストにつけた、『輝く生命の指輪』は」
「はやり消えたそうです」「付けていて良かった、とのことです」
そう、ソフィーとベルルが自爆した場合、
はめている『輝く生命の指輪』が命を助けてくれるが、
一度死ぬ訳ゆえ、呪い、いや禁呪によりミストも死ぬ可能性が高かった。
(このあたり、実験はできないからな、失敗すれば終わりだ)
なのでその場合、ミストにはめさせた『輝く生命の指輪』を発動させる必要がある、
しかしミストの事だ、『最後の夜の遊びくらいは指輪を外して』などという発想をしないとは限らない、
なのでそのあたりはレイミーがしっかり護って、決して指輪を外させないようにした。
(と同時に役割も多岐に渡った)
レイミーが最後のパーツだったのはそれだけでは無い、
ミスト結婚前最後の遊びで、あのハニートラップ要員の中で、
ひょっとしたらミストの命を狙う者がいるかも知れない。
(魔物が変身している可能性もあるからな)
ソフィーベルルにとって最も大切なミストを殺める事は、
魔王軍にとって我々に大きなダメージを与える事になるし、
倒されても我々に一矢報いる事になる、何よりミストの本当の死はソフィーベルルの事実上の死だ。
(ミストが本当に死ねば、ふたりは後を追うだろう、私は……いや、考えるのはよそう)
他にもあのダークエルフには、バリアが破れ魔物が溢れた場合、
いざとなったら身を挺してミストを逃がし、自らの肉体を命と引き換えに魔界へのワープホールへと変え、
やってきた魔物を、魔王を含めて取り込んで強制的に魔界へと……
(まさに最終防波堤に相応しい、ボリネー先輩がバケモノと呼ぶには相応しい女だ)
遠くでは例の老魔道士がまだ蹴り合っている、
どうせどっちが多く倒したかとか、どちらの教会が貢献したかだろう、
まあ、元気が残っていて良い、ベルルの言う通り、ああいう仲の良さなのだろう。
「さあ、もう準備できました」
「ミスト様の所へ行きますわ」
ソフィーとベルルがキリィモリィから受け取った服を着終わったようだ、
私の弟アイザックがベルルをちらちら見ていたのは後で殴っておくとして、
モッコス将軍も加わりソフィー、ベルルをドラゴンに乗せて運ぶ。
「よし、このままミストシティの城へ!」
「ワシは届けたらすぐ、お嫁ちゃんの所へ戻るからなっ!!」
その年齢で『お嫁ちゃん』か。
(私もずっと、ずーっと『リア先生』なのだろうか……)
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そして、朝を迎えたミストは……
(うう、レイミーさんにガッチリとホールドさせて身動きができないいいいい!!!)
どういう風にされているか説明するとまずいので言えないけど、
なんていうか、ハニートラップの末路っていうやつなのか、
この状況でソフィーさんベルルちゃんに見つかったら、僕はもう……!!
コンコンッ
「ミストくん、結婚式朝のご挨拶に来ました」
「きちんと約束は守ってらっしゃいますわ?」
えっ、約束?!
そういえば……と僕は左手を見る!
(あっ、な、無い! 僕のはめていた、婚約指輪が、無いいいいい!!!)
落ちて眠る瞬間まではあったはず、
レイミーさんが激し過ぎて胸が痛くなって、
その時に抑えた時には確かにはめて……たっけ??
「ちょ、ちょっと待って!!」
レイミーさんから逃げてベッドや床を探そうと思うも、
むっちりガッチリのホールドから逃げられないよううううう!!!
「ミスト、どうした、入るぞ」
(リア先生までえええええ!!)
結婚式当日朝、ハニートラップで全てが終わる予感
だめ貴族だもの。 ミスト
扉を開けた直後、
まず最初に入って来たソフィーさんの表情は……?!?!?!
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