第409話 今日は僕以外の結婚式のようです 後編
「領主様、結婚式を開いていただけると聞いて、メンバー全員、日にちを合わせました!!」
うん、僕の、ポークレット家の、
もっと言えばフォレチトン領のお抱え冒険者パーティー、
A級冒険者でいいんだっけ、僕が名付けた『マジカルリスタート』の面々だ。
「すごいね、六人全員、一緒に結婚するんだ」
「はい、領主様に祝っていただけますし、それに……」「それに?」
「結婚を機に、我がパーティーに加わってくれる方も二人ほど!!」
ほう、それは良かった、
じゃあ今後は八人フルパーティーで活動できるのか。
「その新メンバーは」「私の妻と、サンの奥さんです!」
「ええっと、サンの奥サンね、うん、シャレが利いてるね!」
「ミストくん、この事は『韻を踏んでいる』って言うのよ」「あっはい」
それにしてもジンくんの奥さんって見た記憶が、
確か聖女なんだったんじゃ、しかも女神像のエリアに入れるメンバーの。
あと関係ないけどノウの奥さんがすっごい美人だ、うん、この美貌だけで教会ひとつ建つレベルの。
「それでこの二人に……」
「そ、そうだったね、前衛のふたり」
ターとゲー、元山賊のワイルドなふたりにも、
可愛らしい僧侶の奥さんがくっついている、ぴったりと。
「ええっと、ターはアナスタージオ、ゲーはミゲーレイニーで!」
「ありがとうございます」「生まれ変わった気分であります」
「そんなに感動しなくても」「お嬢にも報告します」「憶えてないようですが」
お嬢???
「ミスト様、このふたりは山賊時代、ベルベットの世話もしていたそうですわ」
「あっ、そうだったんだ」「その当時は違う名前で」「といってもお嬢としか」
案外『オジョウ』とか『オジョー』とかいう名前だったりして。
「あっ、そういえばあの魔女は」
「仕舞っちゃっています」「仕舞ったままですわ」
「ええっと、生きてるの」「わかりません」「不明ですわ」
これもまた実験か。
「ターとゲーは、いや、アナスタージオとミゲーレイニーは、会いたい?」
「いや、いいっす」「会いたくともなんとも」「うん、そうだね」
僕も今更、変な気分にされたくない。
いやあの時は若かったんだよう、嫌な事を思い出しちゃったなトホホ。
(アメリア先生が子供を産んだら、妖艶な魔女モードになって貰ってそういうプレイでもするか)
いや今はそんなこと考えている場合じゃない。
「それじゃあみんな、結婚式では精いっぱい、お祝いさせて貰うから」
「はいっ!」「よろしくお願いします」「嬉しいです」「幸せになります」「うっす」「ありっす!」
こうして幸せそうな六組、
いろんな意味でパワーアップした『マジカルリスタート』のみんなは出て行った。
「さあ、次は学生結婚の若きふたりだ、入れ」
やってきたのはあー、捕まってる捕まってる、
完全に聖女にゲットされている感じでくっついている冴えない少年、
僕の後輩、来年二年Sクラスのオルラちゃんと二年もGクラスのままだよね? コリーくんだ。
「おめでとう、うん、本当におめでとう」
「ありがとうございます、これでますます、コリーの教育が捗ります」
「コリーくんは」「その、愛が重いって言葉がありますが、彼女の場合は重い鎖でがんじがらめです」
うん、幸せそうだ。
「結婚後も学院生活は大丈夫?」
「はい、特別に新居を学院の敷地内に借りましたわ」
「僕もそこへ強制的に引っ越しさせられて、学院以外はオルラの部屋で監禁されて……」
あーあーあー。
「人聞き悪いですわ、わたくしに相応しい夫になるための教育と言いなさい?」
「うう、教育というよりも調教、飴と鞭、洗脳、作り替えみたいな……」
「あら、嫌ですの?」「嫌じゃないですっ、幸せですううううう!!!」
なんだか凄い目にあってるみたいだけれど、
本当に幸せならまあいっか、幸せを押し付けられているというか、
これこそまさに『愛の牢獄』に閉じ込められている感じだけれども。
「とにかく一年生前半に酷い目にあってた分、コリーくん、ちゃんとした学院生活を送ってね、
僕なんか卒業式のその日まで、まともに良い事ってぎりぎりひとつぐらいしかなかったから」
「それはもう、オルラ様のおかげで」「様って言いましたね?」「あっ」
瞬時に顔が青ざめている、
何か言っちゃまずかったらしい。
「結婚式の夜から、もうお仕置が確定してしまいましたねコリー、ふふふふ……」
「ひいっ! ま、まあ、こういう感じで幸せです、その、じゃ、じゃあ、こ、このへんでっ」
「うん、なんだか僕を見ているみたいだから、より幸せになって欲しいよ!」
こうして若き学生カップルも
一方的な感じで幸せそうに出て行った。
「……どんなお仕置なんでしょうね」
「そうですね、きっと、お(ピーーーー―ー)るとか」
「後は(ピーー)で(ピーーー)などですわね」「ひいいいい……」
とても良い子には聞かせられない内容に背筋が凍った
だめ貴族だもの。 ミスト
「さあミスト、次はまあオマケという感じなんだが」
「まだ居るんですか」「ああ、どさくさ紛れで申し訳ないが……二組だ、入って来い」
呼び込まれたオマケの二組は!!
「あー、その、なんていうか、えっ、ええええええ?!?!」
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