第331話 スペシャルウィークの内容決定
翌朝、ゆっくりとボリネー先輩宅から転移テントで戻ると、
みんなも朝食を終わらせたみたいで執務室で働いてくれていた。
「ミストくんおはよう」「おはようですわミスト様」
ソフィーさんベルルちゃんが珍しくこっちで事務仕事だ。
「うんおはよう、どうしたの今日は」
「ミスト、獣人の毛がついているぞ」「えっ、嘘?!」
慌てて服を、身体をチェックするがどこにも残っていない、
リア先生を見ると書類に集中している、これは謀られたというやつかー!
「今日は結婚式までの書類仕事を全て終わらせます、ミストくんも座って」
「あっはい、って凄い書類の量だね」
「本日はサリーさんがいませんわ、お休みですわ」「それでかあ」
いっつも僕と一緒に、時には僕が居ない時に全て、
知らない所でも目一杯、領主代行として仕事してくれるサリーさん、
彼女ひとりが居ないと仕事がこんなにも溜まる、って言われても不思議じゃない。
「ミスト、今日はサリーの誕生日だ」
「はい昨日メイドエルフから聞きました、昨夜はアレだったんですよね」「ミストもな」
いや即座に言わなくてもー!
(エスリンちゃんが紅茶を持ってきてくれた、正妻側室勢ぞろいだ)
「サリーさんの話は後にして、ミストくん、スケジュールが決まりました」
「ええっと、僕の誕生日から結婚式までの、スペシャルウィークとか」
「そうですわ、忙しくなりますわ、覚悟なさいませですわ」
やる事がいっぱいありそうだ。
「まずはもうすぐ訪れるミストくんの誕生日、夕方まではコロシアムで記念の出し物です」
「昨日ボリネー先輩もちらっとサーカスのスペシャルヴァージョンをするって」
「ミスト様、あとは音楽団の演奏や、魔法研究所による昼間でも綺麗に見える魔法花火、ほか色々ですわ」
なんだか僕のために、美味しい所をまとめて見せてくれるみたいだ。
「そして夜はパーティーです、御学友の皆さん、沢山来てくれるそうです」
「ええっと学友っていっても2人じゃ」
「お忘れですわ? ミスト様は再試験によりCクラス卒業扱いですわ?」
あーはいはいはい、
再試験の後ちょっと学院の食堂で集まったのを思い出すし、
実はあれ以降、散発的にちょくちょく何人かわざわざ来てくれたり王都で会ったりしてた。
「それは楽しみかな」
「以上が結婚式6日前となる誕生日の予定です」
「5日前は春期闘技大会、4日前は年度末最大のオークレースですわ」
うん、これは僕も見るのが楽しそうだ。
「ミスト、3日前はミスト以外の者の結婚式だ」
「ええっと、えっと、セスとか幼馴染の!」
「そうだ、あと意外な人物も出てくるからびっくりするぞ」
リア先生は知っているみたいだ、誰だろう?
「そしてミストくん、2日前はなんと! コロシアムで凄い催しがあります」
「ええ、今まで出てきた以上の凄いものが?!」
「ですわですわ、わたくし、とーっても楽しみですわ」「という事でミスト、秘密だ」
何それ気になるーー!!
「結婚式前日、年度最終日、この日は騎士団の大規模演習です」
「ヴァルキュリア騎士団の方々の模擬演習もありますわ」
「そしてその総指揮が私だ、最後に除隊式があるらしい」
あっ、リア先生、騎士団とはそれでお別れになっちゃうんだ、
名誉職とかアドバイザーで名前は残るかもって言っていたけれども。
「ミストくん、それが終わればいよいよ、結婚式です」
「朝は旧中央街の教会群ですわ、昼はコロシアムですわ、夕方は合同教会で式を挙げますわ!」
「なんだか派手になりそうだね、身重のアメリア先生大丈夫かな」
まあそのあたりは体調と相談して。
「そしてミストくんにここで発表があります!」
「はい、あ、合同教会の御前立まで人を入れるって話? あと聖域に入れる人を増やすって……」
「違いますわ、その件はまた後でですわ」「じゃあ発表って……?!」
まさか、おめでたか?!
「結婚式が終われば、私もベルルちゃんもリアさんもエスリンさんも、お休みです!」
「そうですわあ、2週間、まったくのお休みになりますわ!!
「えっ、本当に?!」「ああ、さらにその後は1週間の新婚旅行だ」
(……いいのかしらー?!)
「あのー、その、普通って公爵になったばっかりで新年度って、めっちゃ忙しいんじゃ」
「はい、その分を今の内にやっておきましょう」
「後は領主代行様にお任せですわ、教会も任せられる人が多く居ますわ」
ちょっと不安はあるけど、まあこれだけ人が居れば大丈夫か、
「ミスト、新婚旅行はあくまで正妻側室のみだ、愛人に関してはまた時間を作ってやれ」
「わかりました、それでその領主代行ことサリーさんは、誕生日はリア先生と過ごさなくて良いんですか?」
「その分が昨夜だ、今日は珍しく王都へ行って実家と話し合い中らしい」「誕生日なのに?!」
そういえばサリーさん、第四位公爵家のお嬢様だったっけ、
それを僕が準愛人にしちゃうんだからなあ、本当に良いのかっていう。
(今の所、事実上の第十一夫人かぁ)
あっ、準愛人の枠があとひとつ残ってるのどうしよう。
「ええっと準愛人って、結婚した後でも追加できるんでしたっけ」
「もちろんです、何ならコロシアムで最後の枠を争って闘技大会でもしますか?」
「それは面白そうですわ」「出たい部下が沢山いるぞ」「ってちょっと何を勝手に!」
これにはエスリンちゃんも、苦笑いをしている。
「サリーは話が終わり次第、戻ってくると言っている、顔くらいは出すだろう」
「そんな別にいいのに、せっかくの休日なのに」
「……ミスト、お前はそんな事を言う男だったのか」「えっ?!」
なんだかみんな、僕を見ている。
「ミストくん、ミストくんにとってサリーさんは何ですか?」
「ええっと、準愛人です」
「ミスト様、ミスト様は愛人が休日に、休みの日に愛する方を見たいという気持ちがおわかりになられますわ?」
「あー、リア先生にはそりゃあ話が終わった報告はするか」「おい」
あれれ、何か空気が変だ、エスリンちゃんも焦ってる。
「ミストくん」「ミスト様」「ミスト」「は、はいっ、えええっとおおおおお……ごめんなさい」
謎の圧力にとりあえず謝ってみた
だめ貴族だもの。 ミスト
「もう、お仕置するかどうかはサリーさんの意向次第として、ミストくんにまず言いたいのは……」
このあと書類仕事をしながら皆に説教されるという、
なんだかとっても、ややこしい時間を過ごしたのであった。
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