第325話 どうやらアルドライドは平和になったっぽい
避難してくる帝国民を誘導していたら、
もう帰ってきたんだっていうくらい間もなくベルベットちゃんが飛んできた。
「りょーしゅさまー」
「どうだった?」
「じゃまがはいりましたがー、おわりましたー」「ありがとう、偉いね、お疲れ様」
どうやら何かあったようだが、
詳細を伝えもせず村の転移テントへと入って行った。
(まあ、終わったのなら後で聞こう)
さあどうしようか、
おそらくゴーレムを回収できたのであれば、
火事とかの炎上がなければもう帝国は安全だろう。
(かといって、もう大丈夫ですよーとも言って回る訳にはいかない)
まだまだリア先生を中心にアルドライドの兵士が誘導を続けていて、
いつのまにかソフィーさんやベルルちゃんの姉である元盲目聖女も治療に走っている、
キリィさんモリィさんだって僕と一緒に誘導のお手伝い、コケた子供を抱えてあげてたり。
「よし、続けよう」
戦争を再び仕掛けようとしていた帝国は滅ぶべくして滅ぶべきだが、
ただ住んでいただけの帝国民に罪は無い、とにかく今は助けられるだけ助けよう、
脅威がすでに去っているとはいえ、恐怖のあまり走って転んで死んだら気の毒過ぎる。
(こういう時こそ、精神浄化の魔法って便利だよね……)
「あ、大丈夫ですか? もうここまで来れば大丈夫ですよ」
「魔物よ! 帝国の上層部が、魔物となんか手を組んでいたからよっ!」
「落ち着いて、とにかく落ち着いて下さい!」
このご婦人は帝国貴族の奥さんかな?
何にせよ、落ち着いてから色々と事情が、情報が聞けそうだ。
「キリィさん、お水を」「はいっ」
とまあ避難民を助け続けた結果、
翌朝になってようやく落ち着いたのであった。
(うーーー……さすがに眠い!)
「ミスト、ご苦労であった、ここで、この村で眠るか」
「リア先生、その、ベッドはできるだけ空けてあげたいので、一旦帰ります」
「そうか、私はこちらのテントに泊まる、ソフィーやベルルにもう心配無いと伝えてくれ」
……僕の記憶があるのはここまでで、
次に意識が戻ったのはミストシティの侯爵邸、
僕のお城の僕の寝室で両隣ではソフィーさんベルルちゃんが添い寝してくれていた。
「うわっ?! びっくりしたぁ」
「ふふ、ミストくん、おはよう」
「ミスト様、お疲れ様ですわ」
そう言われて外を見ると真っ暗だ。
「あれ? もう夜なんだ」
「ええ、キリィさんから聞きました、夜通し頑張ってくれたそうで」
「わたくしたちの分も感謝ですわ、さすがミスト様ですわ」
それはいいけど、ベッドの上でめっちゃ密着されてるううう!!!
「ええっと、今はどういう状況?」
「色々と片が付いた状況です」
「ですわ、これでアルドライドも、世界も事実上、平和になりましたわ」
話の内容をまとめて言うと、
ゴーレム回収時に一緒にくっついてきたガラント帝国の兵士と、
ベルベットちゃんを襲ってきてアイテム袋に仕舞っちゃった魔物の幹部から話を聞いたという。
(その結果、帝国が崩壊するのにここまで時間がかかった理由がわかったんだよな)
なんでも帝国は魔物に泣きついて、
魔物が帝国にやってくる、大きなダンジョン最下層にある例の『闇の渦』へ、
あのゴーレムを捨てる手配をしようとしたらしい。
「でもね、魔物も魔物でそのダンジョンが見つからなくなって困ってたらしいの」
「ですわ、すでに帝国に居た魔王の幹部、シャドウデーモンも戻れなくて困っていたそうですわ」
それで時間を稼いでゴーレムを引き回している間、
なんとかダンジョンを魔物と一緒に探していたが、
物凄く強い隠匿魔法、封印魔法、浄化魔法で見つからなかったとか。
(それが、僕らが封じ込めたあのダンジョンだ)
結局、他のダンジョンをあたるも駄目で、
最終的に時間切れ、帝国第二都市で残っていた幹部も全滅、
シャドウデーモンはせめて最後に敵の正体を、とゴーレムの上空で張っていたらしい。
「それをベルベットちゃんが返り討ちにしました」
「もしもの時に渡した『光魔法の渦』が役に立ちましたわ」
「そんなのがあったんですか、それで封印か何かを」
簡単に言うけどベルベットちゃん大活躍だな、
うん、僕なんかよりもよっぽど……
「それでそのシャドウデーモンは今は」
「闇魔法研究所ですね」
「こっそり遠い山の上に建造してありますわ」
(いつのまにそんなものが!!)
知らない施設が知らない間にどんどん増えて行く
だめ貴族だもの。 ミスト
「ええっと、それで今後は」
「ガラント帝国の現状確認と、避難民の整理ですね」
「もう帝国は問題ありませんわ、鎮火後、おそらくアルドライドの属国になりますわ」
じゃあもう、めでたしめでたし、かな?
「なら、ソフィーさんベルルちゃんも休めるのかな」
「はい、ですからこうやって来ました」
「ようやく久しぶりに、ミスト様と愛し合えますわあ」
そう言ってさらに密着してくる!
「ちょ、ちょっと、そんなに挟み込まないでっ!」
「ミストくん遅めの夕食の前に、軽く汗を流しましょう」
「ですわ、わたくしもミスト様成分が足りない所でしたわ」
(ひ、ひいっ、む、むっ、むかれる、服を剥かれるううううう!!)
こうして久しぶりにソフィーさんベルルちゃんと、
濃厚な一夜を過ごせたのであった。
(……本当に、解決したのかなあ……???)
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