第197話 準々決勝と罰ゲーム?

 肉塊ゴロゴロが終わり、

 全てを浄化するかのように大教会、聖教会の子供達による

 合唱が披露されている、あと自由教会の子供もちょっと混じってるか。


(こういう宗教関係なく子供たちが一体になれるのがフォレチトンという場所だ)


 もちろんわざわざ今日このために来てくれた子も多いが、

 フォレチトンに新たに住んでくれるという子供達はまさに宝だ、

 そんな子のために恥ずかしい、無様な試合は領主として見せられない。


「以上、教会の子供達による大合唱でしたー!」

「いや~良かったでやんすねー、心が洗われるようだったやんす~」

「ちなみに作詞はフォレチトンの領主様らしいですよー」


 えっ嘘?!

 知らない!!


(左右見てもソフィーさんベルルちゃんが目を合わせてくれないし!)


 とまあ大人数の子供の出入りで時間がかかりつつ、

 退場の間、ティムされたサキュバスやラミア(ちゃんと隠すべき所は隠している)たちが、

 『ゴミはゴミ箱へ、みんなで綺麗な闘技場』と書かれた横断幕を持って場内を一周している。


「次は勝った者同士だよね、スピード系vsパワー系」

「ロッソレさんが避けきれるか、それとも……」

「肉団子親方が力で押し切るか、ですわ」


 このまま肉ボリネーさんが力で押し切ったら僕の身体もヤバい。


「さーあ、お待たせいたしました、いよいよトーナメント二回戦です!」

「準々決勝でやんすー!」


 場内に響くザッキーさんとタッシバさんの声、

 審判のアメリア先生がまず最初に中央へ行き待っている。


「まずは初戦、難なく現役Aクラス冒険者を倒したロッソレ=ガレッディエラです!」

「女性人気があいかわらず、すごーいでやんす」


 今度は剣をひとまわり大きくしてきた、

 やはり巨体対策か、そのあたり抜け目ない。


「続きまして初戦で必殺『回転捕縛肉固め』を披露した大商人、ボリネー=アビタラーナです!」

「女性不人気があいかわらず、ひどーいでやんす」


 こっちはさっき、一回戦より装備が薄めだ、速度を上げるためかな?

 あいかわらず奴隷の皆さんだけがはりきって声援を送っている。


「互いに礼!」


 ロッソレさんは綺麗なお辞儀だが、

 ボリネーさんはお腹がつかえてるのか全体に上下しただけに見える。


「では、はじめっ!」


 お、意外と初動はボリネーさんの方が早い!


「デュフフフフフーーー!!」


 おお、進みながらまた剣を真っ直ぐ投げた!

 と思ったらロッソレさんも剣を投げ、両方弾かれる!


「もらったデュフーー!」


 まーたゴロゴロ転がりながら初戦より早いスピードでロッソレさんを襲う!

 が、ロッソレさんは避けるどころかスライディングし肉塊の下へ入り込んで……!!


「トヤーーーッッ!!」

「デュ、デュフウウウウウウ?!」


 足の裏で器用に蹴り上げた!

 空中では方向転換も減速もできないボリネー、

 そのまま闘技場の観客席下にある壁にドーーーンとぶつかった!!


「そこまで、勝負ありよ! 勝者、ロッソレ=ガレッディエラ!」


 盛り上がる場内、

 壁にめり込んだ肉片いや別に肉は飛び散ってないが、

 激突したボリネーさんの巨体を勝手に入ってきた奴隷たちが救出する!


「だ、大丈夫デュフよ」


 うん、お腹の脂肪だか筋肉だかが守ってくれたみたいで、

 さすがに激突のダメージはあるものの平気みたいだ、奴隷も元の席へ戻って行く。


「かっこいいー! ロッソレさまあああ!!」

「きゃあ素敵! 抱いてえええええええ!!」


 一躍ヒーローだ、

 あの体格差をもろともせず倒したカッコイイ騎士に観客の女性も心を奪われている。


「凄いですね、あんな倒し方があるなんて」

「相手の力が強すぎるなら、逆にそれを利用すれば良いのです」

「さあ、準決勝は昼食の後ですわ、軽くお召し上がれ」


 キリィさんが場内で売られている『愛妻弁当』三種を持ってきてくれた、

 

「ありがとう、食べ過ぎないようにね」


 揚々と引き揚げたロッソレさんと、

 とぼとぼと帰っていったボリネーさん、

 審判のアメリア先生も引き上げた後に出てきたのはなぜか……


「あ、初戦で負けたガルボナさんとべベロンさんだ!」


 しっかり剣を持っているが、何をするんだろう、最下位決定戦かな?


「えーそれでは皆さんこれからお昼休憩ですが、その間、何もないのも寂しいでしょう!」

「一時間もありやすからねー」

「そこで、これから一回戦で負けたおふたりによります、四十五分間の『キンキンキンキン』をご覧いただきます!」


 うっわ、罰ゲームだ!

 そしてあきらかに休憩時間だなこれ。


「我々も休憩するでやんすー」

「なお、退屈だからといってゴミを投げ入れないようにお願いします」


 うん、ふたりともやりたくてやってるんじゃないだろうからな。


「それではー、はじめでやーんす」


 タッシバさんの軽~い合図で始まった、

 うん、色んな攻撃の型を見せてくれる感じだけど……


「さ、どのお弁当から食べようかな~」

「まずは私のからどうぞ、ミストくんに食べていただく事を考えて選んだメニューですから」

「わたくしもですわ、わたくしのは、あーん、してさしあげますわ?」


 モリィさんは『リア騎士団長の愛妻弁当』を開ける。


「リア様からくれぐれも美味しくいただけるように、との事ですので、代わりに私めがあーん、を」


(昼食のお弁当を食べるのに、なんでこんなにいたれりつくせりなんだー!)


 そして場内の戦いを誰も見てない

  だめ騎士のおふたりさん、ご苦労様です。 ミストより

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