無賃乗車の黒猫とおなぢ姿勢になってみる

黒猫が丸まって寝ていた

電車の中で

迷い込んだのか

それともわざとなのか

いずれにせよこの冬にはあたたかい

足元から出てくる空気があたたかい

ふかふかする

僕はキョロキョロと周りを確認した

猫と同じ態勢になって同じ目線になった

僕が寝るには小さくてはみ出してはしまうけれど

じっと見つめた

いつのまにか僕も寝ていた

知らない終点駅に着いて

猫と僕はつまみだされた

猫は僕のことなんか気にも止めず

そこら辺の溝に入って何処かに行った

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