第29話 占いの事を調べると調べることが増えた

 「テミスさんさっきの話本当?」

 「ええ、水魔法師が減ると枯れる井戸とか出てくるらしいよ」


 なんだかんだ言って、水を少しは生み出してるのかな?

 「坊ちゃんが今喋ってたのって魔人語に聞こえたんだけど?」

 「え、意味わかりました?」

 「いいえ、記録に有る物は、はい、いいえ、分からない、分かるくらいね、大体30種類くらい」

 「ああ十年に一度あるならそれ位分かりますか」

 「坊ちゃんの発音に似てるのがあるんよねぇ」

 テミスさんが少し困った顔をして上を向く。これだけ大きいと何着てもブラジャーになりそうだな。

 「皆知ってるんですか?」

 「数?、図書館でも、情報屋のとこでも教えてくれるよ?、当たりの発音って言ってたね」

 

 日本人!!、いや人の事は言えないか。

 「聞き違いじゃないですか?」

 「え~そうくる?」


 うひー、さっさと離れて卵を取って来よう。


 コミネ村で私は結構口出ししている、理由は罪滅ぼしだ。野菜はアルカリを好むものと酸性を好むものがあり、アルカリは灰を酸性には腐葉土をとか、同じものを広範囲に作ると虫が集りやすくなる、とか。


 なのでコミネ村はあちこちに食用の草木(ミント含む)、果物があり小麦畑は一人で管理できる大きさの畑ばかり、おかげで麦の病気がそこらじゅうで被害を出した時も畑二つを焼くだけで済んだ。急にできた湖に魚やシジミ、ウナギ、ナマズ、エビが居るのはまあ私だ、一番苦労したのは土かな一緒にしてくれたボーマンさん元気かな。


 後はアヒルと鶏、アヒルは放し飼い、虫を食ってくれる、鶏はミミズを食うので大きなケージ、元気に飛び回ってる、健康に育てれば強くなるかなと思っている、卵は村で消費されるのみ、割れやヒビのレクチャーはちゃんとした。


 「お、有る有る今日は六個も残ってる」


 表の集金箱に銀貨を一枚入れる、普段は銅貨三枚ぐらい、ただ沢山取るときは多めに入れる事になってる。


 さてリリカはどこらへんかな。

 今町を出る所か、北極にでも置くか?、凍ったら目も当てられないか。あの人探すのに手間取ったからなぁ。


 「きゃぁぁぁ!」

 「ぎッぐえええ」

 「前はダメ、まえはいやぁあ」


 ナツフカさんまた前に乗ってる、おやリサさんがサイカちゃんとミレイヤちゃんと手をつないで並んでるいいなぁ。ユリシアさんが次の番か、明らかに上気した顔してる。悪影響無いかな。

 それとデバスさん、結構好きだね。



 「戻ったよー」

 「お疲れさーん」

 「あーけーてー」


 そうだった箱車も戻ったので大き目に開けてやる、正直箱車は要らんかったが。

 「そういう顔の、あ、そうかじゃあ家に寄付してょ」

 「御願いできます?」

 「よし、ジョーィー書く物!」

 「いっ後二番・・」

 ガチガチ。

 「わかったわかりました」

 もうすぐ順番が来ていたのに用事を言われてちょっとむくれてジョイさんが馬車に行く、でも団長はトロッコの方が気になるみたいだ。

 「おーいいリリカ、並んでないで報告!」

 デバスさんに取り入って横入りしようとしてマリンカさんに捕獲されたリリカに声をかける。

 何気にマリンカさんリリカに良く絡むようになった、直接の子供は元気団子のコウシアちゃんか。



 「わたしのは”識”だって」

 「識?知っているの識?」

 「占い師にはなれないけど結構役に立つらしいよ」

 少し顎が上がるリリカ、一寸不愉快だが我慢。

 「他は?」

 金貨十枚の情報は欲しい。

 「お金はあんまり効果なかった、家紋のバッジの方が効いたみたい」

 さよか。

 「えーと、下から知、識、予測、予期、星詠み、月詠みが一番上位だって」

 カンペを見ながら答えてくれた。

 「後は占い関係の噂か何か無かった?」

 「最近ジーニアス?、領で不認可の町が出来てるんだって」

 「それが?」

 「ツキヨミの巫女を手に入れたんじゃないか?とかそれ位」

 コルトバ領地の事だな、二.三日したら話を聞こう、ウジさんの。

 さっき見たらスーチさん?が目を開けていた、大丈夫そうだ。


 それからはいつもの?風景。


 プリンの件でリリカが膨れたが一度トロッコに乗って忘れたみたいだ。

 団長が物凄い忙しくて私とトロッコと自転車を交互に楽しんでた。


 リサがさっき前に乗って怖がっていたので私と後ろに乗ることに、トロッコの箱部分を動くように改造したら抱き着いてきた、よし!。


 サンドイッチやハンバーガー、ジュースやお茶を適当に出して自由に食べてもらう、いつの間にか大人しいハニラシアちゃんとシンシア姉妹が屋台の売り子みたいになってる。


 シーソウを作って横を見て驚いたブリシアちゃんとドーラン君がオオカミを餌付けしていた、普通は無い、ドーラン君は未だ四歳とするとブリシアちゃんのスキルか?。


 馬車上のクリームさんを見ると頷きながら大丈夫という。

 手が大きく見えるし顔の線が丸いので一歳くらいの子狼が三頭、フェンスから手を出しても撫でられている。


 ついてくるなら吝かではないが、おーよしよし。

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