第8話 百合さんと淑女たち
本日も世界樹広場にて淑女たちがお話をしております。
舞踏会でもあったのでしょうか。
「ごきげんよう」
スカートをつまんでカーテシー
百合さん 似合っていますよ。可愛いです。
「ごきげんよう」
上品にカーテシーで返すご学友さん
つまむだけで良いのですよ。
あまり持ち上げなくてもよろしいのですよ。腰を落とすのです。
ミニスカートから水玉柄の何かが見えていますよ。
殿方は参加されていないご様子 よかったですね。
それともご挨拶だけで殿方を悩殺する新たな技でしょうか。
小学生恐るべしっ
◇
淑女さんが大量発生したのはつい最近のこと
百合さんのご学友さん界隈で流行中です。
単に「ごきげんよう」と挨拶したいだけのようにも感じますが何事も経験です。
温かな目で見守りましょう。
この謎現象の発信元は私の先輩です。
十日ほど前のこと 当家にて女子会がございました。
集まったのは爆乳姫子さんとエリザベス先輩(仮名)のおふたり
姫子さんの爆乳家(謎)も良い家柄なのですが、エリザベス先輩は生粋のお嬢様
立ち居振る舞いがどれも美しく優雅です。
高嶺の花とは先輩のことを指す言葉なのでしょう。
(残念ながら金髪縦ロールではございません。)
『調香』をご趣味とされまして、私の愛用するアロマオイルや香水はエリザベス先輩のオリジナル品
贅沢をさせていただいております。いつもありがとうございます。
エリザベス先輩のお見立てにて、
姫子さんには『高原の白樺』、私には『月下美人』をイメージした香りで作っていただいております。
今回の女子会用にもオリジナルハーブティーとハーブを練り込んだ焼き菓子まで用意していただき、すべてに隙のないお方です。
それでも乙女の好物は変わりません。恋バナに花を咲かせます。
中でも注目は恋する小学生百合さんですね。
エリザベス先輩も非常に興味を持って初心な恋を応援しております。
実は百合さんの恋については関係各所に協力者がおりまして、学校の様子やご家庭での会話
さらには百合さんの想い人の動向まで手に取るように情報が入ります。
これが聖女の力ですっ
(このお姉さん 怖いです)
まあ 両家の親御様、先生方、ご学友まで親しくさせていただいておりますからね。
ちなみにご学友の水玉さん(仮名)も重要な協力者です。
百合さんの想いはすでに周知の事実
わかっていないのはご両人のみ
温かな目で見守られております。
本人からすればとても恥ずかしい状況です。
百合さんが図書委員さんになったのは自然な流れですが、読書に対して興味のない想い人さんが図書委員さんになったのは意図的です。
クラス満場一致で推挙されたことに疑問は湧かなかったのでしょうか。
終始嬉しそうな百合さんだったようです。恋は盲目ですね。
図書当番さんという逢瀬の理由 萌えます。
当家より書籍の寄贈などを行っており、司書さん含め情報網が確立している図書室です。
百合さんのドキドキ図書当番さん いくつか情報は入っていますよ。
実は図書当番の時にこんなことがあったらしいですよ。先輩・・・
◇
恋バナを堪能した女子会もお開きとなり、玄関口までエリザベス先輩をお見送り
ちょうど世界樹広場へ遊びに来た百合さんとご学友さんたちに出会いました。
一方的にお知り合いのエリザベス先輩 本人に会えて感激しております。
百合さんご一行はエリザベス先輩のオーラに圧倒されて挙動不審
カーテシーで「ごきげんよう」との挨拶に対し頭を下げるので精一杯でした。
先輩を乗せた車が去って行くのを見送ったころ ようやく騒ぎ始める百合さん
目をキラキラさせて「素敵なお姉さんでした」
あのぉ 目の前のお姉さんは素敵ではないのでしょうか。
それなりにお嬢様ですよ。
興奮しながら帰宅する乙女たち
全員カーテシーで「ごきげんよう」
とにかく使いたかったのですね。
お可愛いことです。
その日、百合さんのお母様から「百合がお嬢様しているのですけど・・・」と問い合わせがあったのは別のお話
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