第3話 百合さんと星占い
「雪ねえさまの星占い すっごく当たったの」
百合さんの学校では空前の占いブームのようです。
私が占ってあげた占星術
なかなかの的中率だったようで話題になっているそう
「星占いを教えてください」
「星占いって難しいですよ」
朝の情報番組で「今日の星座占い」を見るのが一番簡単ですよ。
ラッキーカラ-やラッキーアイテムまで教えてくれます。
ちなみに今日の私のラッキーアイテムは「さつまいも」
・・・どうすれば良いと言うのでしょうか。
私が得意とする星占いはホロスコープ あれは面倒です。
十二星座に惑星を配置してその角度などで占うのです。
実際には惑星の配列の描画などはパソコンで済ませてしまいますけど・・・
「算数より難しいですか」
「算数ほどではないかな」
「それなら大丈夫です」
「パソコン使いますよ」
「難しいじゃないですかっ」
算数と比較されると困りますが意気込みは十分なようです。
パソコン操作なら教えてあげますから大丈夫ですよ。
「百合さんは何を占いたいのかな」
「えっと・・・」
わかりやすく目が泳ぎますね。
「恋占いですね」
「どうしてわかるんですか」
そんな顔をされたらわからない人の方が少ないと思いますよ。
それに本音を口にしてしまいました。
預言者を目の前にしたようなそのお顔 ちょっと笑みがこぼれてしまいます。
もう少し驚いてもらいましょうか。
「百合さんの好きな人が誰なのか占いで当てましょうか」
占いしなくても顔に書いてあります。このお年頃の乙女はわかりやすいですからね。
想い人はここでよく遊んでいる男の子ですよね。
元気で思いやりのある子だと好感を持っておりますよ。
「好きな男子なんていないですっ」
「とても当たるんですよ。 すぐに占いの用意をしましょう」
「だめぇ」
お可愛いことです。
このあたりで許してあげましょう。
「聖女さまはパソコンで占いをするんですね」
「本格的な占いは魔女さんの方が得意だと思いますよ」
魔女さんは水晶の玉やタロットカードを使った本格的な占いをしてくれそうですからね。(音無の個人的なイメージです)
「でも聖女さまの占いは当たりましたよ」
聖女さまはかなり信頼されているようです。
でも私は聖女ではありませんよ。
真剣な目で見つめないでくださいな。
その件に関しては心がとっても痛いのです。
――――
星占いを教えてほしいのでしたね。せっかくですから本格的に教えてあげましょう。
「まずは星座を覚えましょうか。星占いが楽しくなりますよ」
紡ぐのは神々の物語 有名な12の星座を語ります。
そうですね。 今日はうお座のお話をしましょうか。
ノートを取り出してメモをしながら話を聞く百合さん まじめな優等生なんですよね。
占い師見習いは小一時間ほどの講義に満足して元気よく帰って行きました。
古来より夜空に物語を描き、恋物語を紡いだ歴史は世界中に存在します。
そして星の動きに恋を重ね一喜一憂する乙女心
いつの世も恋する乙女は変わらないのですね。
――――
聖女の占いによると百合さんの恋は両片思い
聖女さまの占いは当たるらしいですよ。
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