∞33【アゾロVSエミル第二局面『勝負を制するもの』】

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 エミルは姉アゾロを護れるくらいに強くなるために、『まずはお姉ちゃんよりも強くなる!』ということを常に心がけている。それは言い換えるならば『5歳の自分がお姉ちゃんに勝つ為にはどうすればいいか?』を、ということでもあった。


 父との手合わせの敗北から癒やされたいだけのアゾロは、一刻も早くエミルを押し倒して弟の柔らかいお腹に頬ずりしたい…という雑念が捨てきれていない。


 そのためアゾロは、


(……力ずくで押し倒してやる!もうめちゃくちゃに頬ずりしてやる!)


 こういう思考になっていた。

 これに対してエミルは、


(……お姉ちゃんのことだから、たぶんぼくを力づくで押し倒して、ぼくのお腹に自分の顔をこすりつけてくるハズだ。だから逆に『それを利用』する!)


 こういう思考をしている。


 自分の欲望しか頭にないアゾロと、

 相手の思考を読んで対策を練るエミル。

 この両者の認識の差。


 二人の勝負を制するものは『認識の差』である。


 ただただ弟とスキンシップしたいだけのアゾロとは違って、エミルには姉に勝つための『一度切り』の秘策の用意があった。




…To Be Continued.

⇒Next Episode.

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