(三)-2

「そういえば……」

 盛られた飯の位置を皿から鍋の汁の中に移動し終えた謙吉が、こたつの前に座って布団を整えている渋沢に言った。

「この前、役場に行ったんですよ」

 「うん、それで」と、相づちを打ちながら渋沢はリモコンをテレビに向けてボタンを押した。液晶画面が一定間隔で変わっていった。

「俺、年金だけじゃ生活費足りないんで、生活保護もらってるんですよ。そうしたら、窓口に来ていた人に対して、役場の若い男がなんかわめき散らしてたんですよね」


(続く)

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