ハヅキの冒険

雪待ハル

プロローグ




どこか嘘っぽい空だ。

見上げて始めにそう思った。


「こんなところにいたらどうしよう」


できればいて欲しくない。けれど一刻も早く見つけたいからいて欲しい。

そんな身勝手な思いを抱きながら樹のてっぺんから辺り一面を見渡す。


「うーん・・・・ん?」


自分が今登っている樹がある森の中から悲鳴が聞こえた気がして視線を下げれば、見えたものは。


「・・・ふーん」


をじっと見つめたまま、米倉葉月よねくらはづきはニヤリと笑った。

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