第4話 母と妹と弟

「落ち込むことはないぞ。スキルは成長するからな。何、私の息子だ。なんとかなる。」


そう言っても、落ち込むものは落ち込む。沈んだ気分の中、馬車に乗り家に帰る。ふと気がついたら、もう家についていた。重いため息をつきながら馬車から出ると、お母様達が出迎えてくれた。 

 

「あなた、ラング、おかえりなさい。」


お母様のコント・メグ・ドラグライト。キレイな金髪ドリルをつけた、あらあら系の美人。スキルは、筋肉。自分の筋肉を自由自在に変えられるスキルだ。 


「おにぃしゃま、おかえぃなさい。」 


したったらずな言葉で一生懸命に話すこの子は妹のコント・メリル・ドラグライト。6歳なのに、しっかり挨拶できてえらい!家の妹は天才だと思う。


「…かぇり」


控えめに挨拶したのは、弟のコント・アスラ・ドラグライト。2歳だからかお母様から離れず、隠れながらの挨拶だが、この子も挨拶できてえらい!多分、次の当主は弟だろうなと思う。こんなスキルだし。

   

「あなた、ラング、鑑定の義はどうだった?大丈夫だった?」 


全然だめです


「あぁ、ラングはネットスラングというスキルで草などを生やせるらしい。きっとすごいスキルだよ。」

 

なぜそう思う、お父様よ


「まぁ、草を…それは、すごいわね!家の息子はきっとでかいことを成し遂げるわ!」 


お母様もなぜそう思う?草だよ草。草で何を成し遂げるんだよ。でもまぁ、両親から褒められて、少し嬉しい自分がいる。悩んでたのが馬鹿みたいだ。草生える。 


ピコン


『スキル:ネットスラングの発動条件を満たしました』 


ニョキニョキ 


「わぁ、おにぃしゃまのあしもとに、くしゃがはえました。」

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