アイイロノウミ
ヨコスカ
プロローグ:魂のありか
人の魂はどこに宿るか
ゾンビ映画で言えば
生物学的に見れば脳みそか
宗教的に見れば心臓がメジャーだ。
ならば、肉体には何が残るのか
魂以外に何が残るのか
ゾンビ映画を見ながらブルーライトをガンガン浴びる
ソファは食パンみたいだけどあいにく私の眼には
ケチャップしか映らない。
体育座りって今はしないんだっけかとか思いながら
ひき肉祭りを眺めている。
座っている気力もなくて
ソファにはさまれるようにして寝っ転がる。
私はアカネ。西之(にしの) アカネ
私は彼氏だった心臓(のホルマリン漬け)にいまだに未練を持っている。
大学生二年目。
何をするにも億劫で
でっかい灰色色パーカーと部屋着の短パン。
中に着ているのは三日前から着てる 人生\(^o^)/オワタ の白Tシャツ。
高校時代から着てたから、ちょっと黄ばんできたかも。
脱ぎ散らかした靴下のコラージュ
積み重なったカップめんの容器でできた バベルの塔
部屋は青い光を帯びて薄暗く、そのせいで灰色になった若草のカーテンは
枯れてしまったみたいで酷く寂しい。
ソファに寝っ転がったまんまの てい でどうでもよく窓を見上げる。
カーテンはうす目を開けて、映す窓はしとしと降る雨の涙を流している。
かみの毛は昨日腹いせに切った。ストレートのボブはイッシュー間まえに
彼氏とお揃いのいい海の色を二、三本入れた。
波打ち際みたいにゆらゆら揺れてる。
黒い髪は夜の海のようで死にたくなる。
見つめるひとみが涙で揺らいできた。
瞼を閉じる。
彼氏はイルカが好きだった。イルカ博士ではないけれど、イルカが好きだった。
イッシュー間まえに水族館に行った。
天気が程々によくて、気温はちょっと高めで。
イルカショーをみて子供みたいにはしゃいでいた。
だから、海に帰ったのかもしれない。
一人ぼっちの協奏曲を奏でている。
私の髪の毛が海につながっていれば
彼氏に会えたかもしれない。
流れ着いたカレシの体は
メッセージボトルみたいになって
私に、死んだことを告げに来た
また思い出して涙が伝う
止まったままの既読
どうでもいいTwitterの濁流。
ふと、
#ですげーむ
しませんか
#有志募集
今日。深夜0時から
場所は〇×食品工場跡地。
必要な道具
自分の身を護れる道具
必要な人
大切な人の為なら何でもできる人。
生き残りさんには願いを叶える権利を差し上げます。
果物ナイフくらいしかない。
いつか、うさりんごを作ろうと思って。
使ったことがないヤツ。
それ以外ワタシにあったけ
オキ二のコンバース。紺色と白色のツートンの靴紐。
そして、愛
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます