第5話 小麦粉アレルギーには優しい世界

 知能指数が98と言っても、平均を少し下回っているだけなので、生活には支障はない。


 この世界で通っているのは名門校だし。


 この世界に来てしまったのは、他にも事情はある、が。。。


 とはいえ。

 よろしくやっている。


 この世界、百合漫画の世界では、男たちの存在感が薄い。


 なので、男たちとよろしくやっている。


 具体的には、ガードナー、庭師、警備員、図書館員など、おそろしく影が薄く、しかし、百合漫画の世界を成り立たせるのに重要なモブたち。


「こんなところでサボっていいの?」


 彼も、そのひとり。

 わたしは、彼とサンドイッチを食べながらその問いを聞いていた。


 サンドイッチ。

 ありがたいことにこの世界は小麦がそこまで広まっていないため、米粉パンに卵がはさまり、なおかつ、つなぎにお米を使ったハンバーグ、そして、おそらく、レタスに似た野菜がはさまっている。そんな、小麦アレルギーな私にはいたれりつくせりなサンドイッチが購買で簡単に手に入る。

 

 この、レタスに似た野菜が、虫がついているのはたまに傷だが、おそらく、小麦が普及してない、ということは、強力かつ悪質なあの農薬が普及してないため、昆虫食ならぬ、昆虫つき野菜が食べられる。


 ひょい、とつまんで、これを包むと、

「いや、サボタージュしてもあまりわたし、変わらないし」

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