第2話 男役

 なぜなら。


 男役だからです。

 

 顔が平凡な、その他大勢に溶け込む、風景のような存在。


 彼女たちが英国庭園に咲く大輪のバラだとしたら、私はそう、そこらへんによく生えていて、雑草にカテゴライズ、規定されるスズメノカタビラ。


 雅な名前にもかかわらず、雑草としてひっこ抜かれる存在。


 学校というものは、組織というものは、そういうものだ。


 世界は、すべて、美しいものに対して特権をあたえる。それが露骨なのが、この、百合世界であり、ファンタジーな世界観なのだ。


 この世界というのは、見目麗しいものにだけほほ笑むのだ。

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