15分前

『それで私に電話してくるとかあんた何考えてんの?』

「なんか焦ってたらお前の顔が浮かんだんだよ」

『もう、しんったら……♡』

「……」

『……とか言うと思ったか?アホ』


キュン。


いや、なんだキュンて。今のに時めく要素ゼロだったよな?


「でもふゆが電話出てくれないからもう2分削れたぞ」

『私のせいじゃないよね?というか、私のボケはスルーか』

「10回コール聞いてる間すっごく寂しかった!」

『知らんわ!普通は3回くらいで諦めるんだよ!いや、その前に寝坊した奴は人に電話するより大慌てで家を出るのが正しい行動なんだよ!いや、なんだ正しい行動って!寝坊するな!』

「おおー……。今日も冬の一人ボケツッコミはキレキレだな」


『誰のせいだと……。というか信、今何して……《ドガッシャ―ン!!》え、何事?』

「痛ってー……」

『生きてる?』

「一応。今日寒そうだから上着出そうとして積んでた荷物崩した。もろに食らったが怪我はない」

『相変わらず頑丈だね。ちゃんと支度してるならその調子で頑張れ!』

「うん。朝飯はパンとごはん、どっちがいいと思う?」

『食べる気なんかい』

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