【暴れん坊小町】
○月〇日。
俺は、気になることがあって、花ヤンと横ヤンに調査を依頼した。
本当は、身内に依頼はしてはいけないことにはなっている。
これは、この業界ではよく知られた『暗黙のルール』だ。
だが、そんなことは『建前』に過ぎない。
俺が気になったのは、EITO大阪支部からEITO東京本部へ搬送した、京都府警の刑事だ。通常、合同捜査本部になっても、捜査員の刑事は、飛行機か新幹線だ。京都なら、新幹線が妥当だろう。
澄子の店に、花ヤンと横ヤンが入って来た。
「幸田はん。分かったで。同期の刑事に聞いたら、簡単に教えてくれた。京都の東山警察署の神代チエ警視は、東山警察署の娘で、本名は戸部チエや。神代は通り名やな。まあ、それはともかく、『暴れん坊小町』で知られてる。」
花ヤンに続いて横ヤンが言った。
「『キラーワード』は、『親の七光り』または『親』。」
「それって、かなり短気やっていうことですか?」と、澄子は言った。
「短気のsでいかどうかは知らんが、かなり『走り』、あ、今は『徒競走』か。徒競走は早い。そやから、小中学校は陸上部やった。高校は柔道部と剣道部。」
「花ヤン、それって、足くじいてオリンピック諦めたクチ?」と、俺は尋ねた。
「ちゃうちゃう。もう警察官になる気でおったらしい。」
「巡査拝命した途端、スリ・かっぱらいのグループ13人をお縄にしたらしい。」と、横ヤンは面白そうに言った。
「何せ、オリンピック級の速さや、あっという間に逮捕したらしい。今回のことはナア、神代宗佑警視正、詰まり、神代署長が小柳警視正に頼んだらしい。」と、入って来た佐々ヤンこと佐々刑事が言った。
「神代署長には、小柳警視正は昔世話になったらしい。」
「3人とも『蛇の道は蛇』でっか。」と、俺が感心していると、「まだ続きがあるねん。聞くつもりはなかったけど、聞いてもうた。暴れん坊小町がEITOに出向になるって。」と、佐々ヤンは暴露した。
「総ちゃんと、どっち強いやろ?」と、澄子が言い、俺達4人は腕を組んで考え込んだ。
ー完ー
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