漢字が、わたしは苦手だった。

今でもそうだ。

「完璧」と書いたのに、「玉」の部分が「土」になってたりする。

「鳥（とり）」の字も、そうだった。

小学生ならまだしも、なぜか「鳥」の字だけは、中学生になっても間違えた。

思い出して意識していないと、間違う。

「里奈（りな）、それじゃ『カラス』だよ」

そういって、父は笑ってくれた。

そしてその横で、姉はわらっていた。

わたしが初めて書けた「鳥（とり）」の字は、

成した紙ごと、あなたが割（さ）いた。

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