甘い誘惑、燃えたぎる野心

真っ直ぐ咲こうとすると

踏みつけられ手折られ

茎が変に折れ曲がり結局

醜く天に伸びてゆくのです

置かれた場所で咲けと

日当たりの良い広い花壇で

薔薇たちがおっしゃいます

しかし私は抗いたい

私を根から掘り返し

風通しの良い野原へと

再び植えてくれる人間を

この手で誘い込みたい

もし花言葉をつけるなら

私は何になるのでしょう

野に咲く健気なこの花に

もし言葉を託すなら

それは何になるのでしょう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る