ニルヴァーナ

うさみゆづる

淫靡

わたしの身体に触れてください。

この厚い唇を撫でて、

頬へ、目尻へ、それから耳へ、

肌の奥の熱を掬って、

この柔肌に接吻してください。

指を絡めて、解けないほど、細かく、

解けないほど、強く、複雑に、

身体ごと手繰り寄せて、

この胸を吸ってください。

溶けてしまいたいのです。

あなたの体温と合わさって、

いっそひとつになってしまいたいのです。

それが叶わぬのなら、せめて、

あなたに触れることをお許しください。

一枚の衣すらわずらわしくて、

取り去ってしまいたい、今、

肌を合わせて眠りたい、今。

優しいあなたを困らせたい、

なんて言ったら、

もういちど、私に接吻してくれますか。

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