第16話 16日目
つい先日、3年勤めた中堅社員が辞めた。しかも退職代行サービスなんかを使って(笑)今どきの若者なんだなと鼻で笑うような行為だが、辞める一ヶ月ほど前から、変な言動を口にするようになった。『守るものが無くなった………』と何度もつぶやくようになったのだ。話を聞くと、二人目の子供が出来たにも関わらず、嫁から三行半を叩きつけられ、離婚に至り、子供の親権は向こう側で、一人きりになってしまったらしい。地元から離れて引っ越しも済ませて、完全に孤独になった為に、家族がなくなり守るものが無くなったということらしい。詳しい理由は聞いていない、不倫などが出来る器用な男ではないことは知っているので、また別のことで夫婦の間に齟齬が生じたのかも知れない。本当に二人目が産まれたばかりなので驚いたけど。しかし守るものが無くなった?離婚して離れたらもう赤の他人なのか?そうではないだろう。当然の義務として養育費や慰謝料を払わないといけない(この際、どちらが悪いとか別としてね)そういったことを一切せず、仕事が休みの合間にギャンブルやツムツムをやったりして休暇を過ごしているのだ(ツムツムは関係ないか(笑))シングルマザーに非常に非情な厳しい国である。離婚した理由はともかくとして、援助はしてやれよ本当に。亡くなった訳では無いのだ。生きている限りは、自分の元奥さんも、血の繋がった子供も守るべき存在である。という説教をすると拗ねた表情を浮かべて、全く聞く耳を持たないような姿勢で、仕事にも全く集中しきれてなく、挙げ句、しんどい、キツい、早く帰りたいとかつぶやきだし、早退や、欠勤も増えだした。彼は上の会社に勤める祖父の紹介でウチに入社してきたのだが、『やるからには石の上にも三年、三年は絶対勤めろ』と言っていた祖父が『もう三年経ったから辞めていいぞ』と言ってきたらしい。なんだそれ?何を言ってるんだこのジジイは? 厳しいのか甘いのかどっちなんだ? 挙げ句、会社の上司に祖父がこのように言ってきましたみたいなことを申告してきたけど、上司は、だから何なんだ的な冷めた表情を浮かべていた。だから今どきのZ世代はどうのこうのと愚痴っていた。そうこうしているうちに携帯の待ち受けを子供の写真から、名探偵コナンに変えて休憩時間をダラダラ長めにとり、片頭痛が酷いので帰るとか、完全に家族や会社への愛着は薄れていき、トドメに退職代行サービスを使い、それまでお世話になった人たち全員を着信拒否とし、夜逃げ同然で会社を辞めた。離婚後に引っ越しを手伝ってくれた仲の良い同僚すらも着信拒否にしたのだ。守るものが無くなったって、自分自身も守れないのか?今後、自身に何かあっても誰も守ってくれないし、助けない。好きに生きればいい。まあ、自分自身すらも守れなくなったんだな彼は。さて朝食は、サラダチキン丼と、昼食は「くら寿司」にて、オニオンサーモン一択4皿 晩ごはんは、プロテインバー2本と自作のハンバーガー2つ 夕方に東京merの映画を映画館で鑑賞 めちゃくちゃ泣いた。体内の水分全て失うくらいの勢いで泣いた
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