道具屋の材料調達

郷新平

第1話 道具屋免許について

 道具屋免状の取得、おめでとうございます。




 かつて、冒険者は人物に危害を加える指定野生生物(世間で言われる所謂モンスター)の討伐を行ない、得る報酬の他に討伐した指定野生生物から材料を集め、自分で武具の修理や調達までしていました。


 その内に自分で指定野生生物討伐を行なわない一般人が指定野生生物から採取できる部分が欲しいと言い出し、高額で取引されるようになりました。そのため、一部の指定野生生物が乱獲され絶滅しました。これに対し、動物保護協会は冒険者協会に猛抗議を行ないました。ブルータイガーが希少な牙と毛皮を採取のために乱獲したため、絶滅したことが記憶に新しいかと思います。


 この事態を重く見た冒険者協会は生物保護協会の要請に従い、冒険者と道具を取り扱う部門とを分けることにし、免許がないと材料の取得を不可能にしました。これにより、動画や免許が誕生しました。


 道具屋免許は冒険者免許を取得した冒険者から試験を受けることにより取得可能になっています。尚、生命に関わる薬草などについては冒険者講習に於いて、取得できるようなっていますので、冒険者でも一部の薬草などの取得は可能となっております。




道具屋はあくまで冒険者ではありません。絶滅危惧種などの自然保護の観点から貴公は道具屋を開業するにあたり、以下の項目を守ることとし、違反した場合は即、免許の取得を無効とする。


・決して、指定野生生物は殺傷しないこと


・材料を採取した指定野生生物には相応の報酬を与えること


・魔法を押さえるためにブレスレットの着用を義務とすること


・指定野生生物が冒険者に捕食の際の罠を掛けようとしているとき冒険者には直接教えないこと


・申請をして、許可が出た指定野生生物は捕獲を可能とする。


・冒険者と共通事項として、知能を持った指定野生生物は討伐はしないこととする。


・天使や悪魔を相手にする時は許可なしで対応を可能とする。


・自分を狙おうとする、乱獲者などの人物が攻撃を行なってきた時は、正当防衛を認めることとする。


・誇りを失わない事


・死なない事




以上

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