最近、こんな本を読みました。

一視信乃

大唐泥犁獄/陳漸 〈再録〉

 中華もミステリーも好きだけど、中華なミステリーは読んだことないなぁと思い、読んでみました。


 探偵役である主人公は僧のげんじょう。『西遊記』でお馴染みの三蔵法師です。


 実は、中華に興味を抱くようになったきっかけのひとつが、ちっちゃいころTVで見たドラマの『西遊記』なんですよ。堺正章さんのヤツ。

 あ、もちろん再放送でですよ! これ読んでたときも、ちょうどやってましたね。


 このお話の玄奘さんは、天竺へ向かって旅をしているのではなく、師を殺して行方不明になったお兄さんを探しています。

 このお兄さんも僧なんですけど、冒頭からいきなり師の首をスパッとやっちゃってましたからねぇ。衝撃の始まりですよ。

 その上、霍邑かくゆう県の県令が自殺した件にも関わってるかもしれないってことで、お供の悟空──ではなく天竺人従者とともに霍邑を訪れるのですが、そこでまあ命を狙われたりとかいろいろあって、巨大な陰謀に巻き込まれてしまうわけです。 


 いやもう本当にスケールのでっかい話でしたよ。

 実在する歴史上の人物がたくさん出てくるから、そういうの詳しい方は、より楽しめるんじゃないでしょうか。


 三津田信三さんの推薦文に、乱歩の娯楽長編を読むような面白さとありましたが、私も美女シリーズみたいだなぁと思いました。

 変装とか、妖しい美男美女とか。


 キャラもすごく魅力的で、『西遊記』と異なり心身ともにたくましそうな玄奘さんはステキですし、小悪魔と評されるヒロインの美少女も強気で一途なところがめっちゃ可愛かったですが、ネタバレしない範囲で一番インパクト強いのは、やはり天竺人従者ですね。ヨガマスター、マジスゲーってなります、絶対。


 そんな感じでとても面白かったのですが、読んでるとき何度も投げたくなりました。

 だって、人名、地名、役職名などに、最初しかルビ振ってないんだもん。

 いちいち戻って捜すのめんどくさくて、読むの止めようかと本気で思いましたよ。

 続編出してくださるなら、そのへんなんとかしていただきたいです。

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