第12話 ウィー・トーマス

 誰が殺した、ちっちゃなトーマスを。


 パルコ劇場プロデュース、「ウィートーマス」公演ポスター宣伝文句より。


 なぜか、ウィートーマスの宣伝文句を思い出す。


 当時高校生だった私は、「まだ早い」と言われ、親から説得され、ウィートーマスは初演も再演も見損ねた。


 戯曲を手に入れ、内容を知ったのは、10数年あとだった。


 パルコが閉まると知り、安売りされていた、ウィートーマスの台本を買った。


 そこには、血みどろどころじゃない、とんでもない結末が載っていた。


 そりゃあ、養母もおばも、あんたには早い、というわけだ。


 笑ってしまう。


 ああ。

 

 危ない、と私をつき飛ばしたのは、なんとか戦隊のイエローじゃないか。


 舞台、あるんだろ、君が死ぬことなんてない、そうか、君も、見に来ていたんだ、あの舞台を、だから、殺された、きっと、私も殺される。


 と、思ったら。


 

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